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一行感想レス@完結後1

皆さまこんばんは。

久しぶりのレス書きとなってしまいました。
「とにかく一段落してから」と思ってたんですが、
結局完結後になってしまった・・・。申し訳ない。

では、さっそく書いていきたいと思います。





フィアは何気にトラウマになっていたのですね(笑)それにしても国に戻れる、と心の中で念じる陛下には笑いました。こんなに可愛い人だったっけ?陛下は帰ってきた後にフィアのことをどうするのかな。仕事で発揮する力をここでも発揮して欲しいところ。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

えーと、これは『ワシュトリア遠征編』のあたりですね。
帰国後のことはもうご存知かな?と思いますが、「仕事で発揮する力」は発揮できたんじゃないかと思います。・・・たぶん! 後半は死にそうなくらい働いてくれました。

それにしても、仕事はさっさと済ませるのに、恋愛にはものすごく時間を掛けるという。そこは、こちらとしても意外な面でした。もっとも、相手がフィアだからかもしれませんが。(基本的には「顔を見なくても政略結婚OK」なタイプですし、実際にプロトタイプ版ではそうなってたんです)




毎回二人の再会を切実に願ってます!読み返してみたら、「朝よ来るな」2で、手を引かれて寝室に連れ込まれようとしてた(?)のをウルリクに阻まれた時が最後の会話なので、リアルには1年以上も二人のやりとりを見てないのだなー…と、この一年を振り返ってしまいました(笑)本人色事に無知ですが、ベッドの上の未遂シーンは多いですよね(笑)


いらっしゃいませ。
2010年と2011年は、なぜか分からないのですが、ものすごく速く過ぎていった気が。(私だけか!)
なんだかんだしていると、時間が経つのはあっというまです。

「ベッドの上の未遂シーン」は多いかもしれません。
ヴァレンヌでは四回くらいあったかな? そのうちの一回がシグワスで、最後の一回がたぶんヴィクターですね。今振り返っても、シグワスさんは書いていて面白いキャラでした。機会があれば「2」にも出てもらいたかったんですが、旅に出ていて、帰ってきませんでした。

当たり前かもしれませんが、ヴィクターとの一回が一番ほのぼのしてた記憶があります。




ラブを求めてオマケ小話でも読み直そうと思ったら!いつのまにか完結してて嬉しい発見vv平和で楽しい一幕をありがとうございました!満足ですvv


オマケ話、面白すぎた!本編でも、早くこういうシーンになればいいな^^


オマケいつの間に…!こういう、くっだらない(←褒めてます)日常が、もっと読みたいです!文句言いながら王妃さまのもとへ行く王さまの姿に、二人の未来が見えて、幸せになりました。早く結婚しろ!(エール)


おまけ話を読んでいただいてありがとうございました。
ああいう結末なので、本編が終わるまでちょっと出しづらいなと思って放置していたんですが、さすがに時間が経ちすぎると思い、先に出しました。楽しんでいただけたなら何よりです。

ちなみに、あの中でヴィクターが組み立てているのはディアゴスティーニ風のものです。
って、言わなくても分かりますね。




ブログを読んで焦っちゃいましたっ。私はヴィクターさん大好きですけど!!!笑 フィアとのハッピーエンド信じてます。


いらっしゃいませ。
何か焦らすようなことを書いてしまったかと、今、私が焦っています。
それとも、あのオマケ話が何かいけなかったんですかね・・・?(謎

本編のほうはなんとか完結しました。ハッピーエンドとしてお届け出来たと思います。
他の結末を色々と考えたこともありますが、やはり悲劇にしなくて良かったなと思っています。応援してくださり、本当にありがとうございました。




1が終わった頃は、ノイエ家の養女になって、そこで数年王妃教育やって、20歳くらいで王宮にあがって結婚かなぁと思ってましたが、フィアと陛下なのでやっぱりそんな簡単にはいきませんね(笑)フィアは陛下と出会ってから辛い事がいっぱいあったけど、この人と出会えて良かったなと彼女が心底思えるラストだったらいいなと思います


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

まさに、私も最初はそんな感じのシナリオを予定していたんです。
最初が「ノイエの帰郷」で、そこにほどなくフィアが加わって、ラディウス公爵家でドタバタお妃教育するというような内容を考えていたんです。ところが、書いても書いてもフィアが修道院から出てこないのですね。これには困りました。

「修道院から出たくない」というのがフィアの意志だったんです。ふにゃふにゃのプリンみたいな女の子なのに、これだけは鉄の意志でした。そのため、私も当初予定していたものは書けなくなり、全くのノープランになってしまったんですね。その後はもう綱渡りだった気が・・・。




もう!もうもう…!!続きが読みたくて読みたくて読みたくてこの気持ちどこにぶつければいいのか…!ヴィクターさんか!


たぶんこのとき、更新が止まっていたんですね。大変申し訳ない。

9月は徹夜しながら投稿作品を書いてました。何かに取りつかれたように(?)、その作品のことしか考えられなかったのです。あまりにもその世界に没頭していたので、私は昔、その時代に生きていたんじゃないかと思ったくらいです。

このようなコメントを頂いて、ハッと現実に戻ったというか。
と思ったらパソコンが壊れて買い換えたりと、何かと慌ただしかった秋でした。
本当にすみません。でも、とてもありがたいコメントでした。




フィアって……ほんと人を傷つけるなあ。純粋であればどれだけ人の気持ちを振り回してもいいと思ってるんでしょうか? 途中まではヴィクターとうまくいくことを祈っていましたが最近はよく分かりません。彼女が良いところより、悪いところがあまりに目につくので。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございました。
これは『ルーゲン編』というか、『ルーデック編』のころに頂いたコメントかなと推測して。

途中から登場のルーデックと結婚するという流れになり、戸惑われた方も多かったのかもしれませんね。特にフィア・ヴィクターの組み合わせを応援してくださっていた方には、にわかには受け入れがたいところがあったのかもしれません。申し訳なかったなと思います。

本当はフィアは優しくてかわいい子なのですが、なかなかそれをストレートに書いてあげられなくて、そこのところは自分の力不足を感じました。今後の課題のひとつですね。




一ヶ月フィアの事を想ってたルーデックと、一ヶ月で新生活に慣れたフィア。ルーデック哀れ…(笑)あと2章で完結ですかぁ…!!2部の主軸だった王妃候補殺害未遂事件の黒幕が明らかになれば、このまま一気に…!でしょうか。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

けっこう前に流行った噂だったかもしれませんが、男と女って、そういう違いがあるそうですね。男は振られた相手を引きずるけども、女はわりかし早く立ち直ってしまうという。言われてみれば、女の子のほうが立ち直りが早いのかな? と思ったり。


やっぱりヴィクターの影は大きい・・・。ルーデックは捨てられちゃうのかな・・・


ルーデックはまだ若く、これからが人生のいいところなので、それほど長く引きずることもないかなと。彼が登場した頃から、最終的にはかなり出世するキャラだというのが頭にあったので、今回はあえて損な役回りをしてもらった面もあったかもしれません。

たぶんですが、十年後くらいの彼はめちゃくちゃモテていると思います。


何のかんの言いながら、自己中心なルーデックと極端なほどの博愛思考のフィアというのもなかなか厄介ですね。


ルーデックの、ちょっと中二な感じが伝わって嬉しく思います。(謎


自立しつつあるフィア。なにができるかできないのか・・自分の枠を知って、1人でもいきられるようになってから、男を選ぶべし。ですね。


男をほとんど知らずに世間に出ちゃったものだから、大変でした。

「フィアの自立」というのは大きなテーマだったんですが、最後まで書いてみると、自立するということは、一人で生きていけることとは微妙に違うのかもしれないと感じさせられました。

現代女性は一人で生きることを要求される場面が多い気がします。私もそういう価値観にいつのまにか染まっていて、なんとかヒロインを自立させようとしたところもあったんですが、考えてみれば中世ヨーロッパなんかでは女性の自立なんて無かったんですよ。ジャンヌ・ダルクとかしか・・・。

男ありきの女、という形なんですね。
現代では、あまり受け入れられない考えかもしれないです。私も、それがいいかと言われたら、ちょっと分かりません。離婚したら即食べていけなくなるというのは微妙ですしね。でも、昔ながらの価値観も、やっぱり大事なんじゃないかと思ったりします。男が女を守り、女が男を支えるという・・・。

かっこいい王子様がいたら、バッチリ守ってもらって、生活の面倒もガッツリ見てもらいたいですよね!
まあそんなのは現実にはないので、チマチマ書くしかないのですが。(笑


ルーデック人生最大の失恋の予感・・・哀。ちょっとルーデック応援してました。けど距離を縮めようとする姿を見ると、やっぱだめー!って思ってしまう私はやはりヴィクター派だったらしいです・・・はやく帰ってきて真っ直ぐに糖度上げてー!


このコメントで、ヴィクター派も生き残ってくれていたことに安堵しました。


本編の方、色々もどかしいですね…。やっぱりフィアは色々ととろい子ですね(笑)おまけ小話のラストに癒されてしまいました。こんな日常がやってくる事を願っています…!


貴重な(?)ほのぼの日常シーンでした。
考えてみれば少なかったですね。本編は一応完結したので、そのへんをもう少し書き足したいような気がしています。
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2012 / 01 / 19. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後2

続きです。




ルーデック色々可哀想に。騎士としての心構えも無いのに、人を斬ってしまうというのは相当トラウマになりそうですね。更に失恋の危機ですし。彼を支えてあげる人がいたらいいのに。


いらっしゃいませ。

例の事件は、かなり彼の人生に影響を与える一件になってしまったかと思います。
物語とはいえ、キャラクターにあまり罪を犯させたくないなという気持ちはあるんですが、世界観のヒントを得ている中世ヨーロッパの時代を考えると、人を殺すとか殺されるとかが日常茶飯事のことなんですよね。現代の感覚からすると信じられない感じはするのですが・・・。(『人権』なんていう概念も、この時代には無かったんだと思います)

『剣と剣』の章は、比較的ルーデックを中心に書くことが出来たかなと思います。そこだけは救いだったかなと・・・。いつか彼がもっと本気で好きになる人が出てきたらいいなと私も思います。
感想をお寄せくださり、ありがとうございました。




ルーデックのあれって、恋だろうか?何か違う気がする。フィアのことを思うというより、自分の心のよりどころを作るのに必死というか…


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。
ルーデックはたぶん、まだ若いのですね。(十九だし)
といっても、この時代で十九は立派な大人ではあるのですが・・・。
たぶん、フィアが好きという気持ちが半分、早く女と付き合いたいという気持ちが半分くらい? どっちかいうと、やっぱりヴィクターのほうが一途なキャラなのかもしれません。途中からルーデックが夜中にいないのは、足しげく歓楽街に通っているのです。フィアには分からなかったようなんですが・・・。(ネタバレ話でした)




ヴィクターとクリステラがほぼ同時に倒れた、ですか。2人共謀の悪だくみの臭がしますね(笑)


こんにちは。感想ありがとうございます。
どう考えても悪だくみですよね。(笑
この二人が政略的にくっつくというシナリオでも別におかしくはなかったのですが、いざキャラたちを会わせてみると、恋愛というより茶飲み友達のような感じで、そういう雰囲気ではなかったという・・・。クリステラさんは、案外ヴィクターみたいなタイプは恋愛対象ではなかったようです。




何時も楽しみに待っています。更新嬉しいです!が・・ヴィクターさん!!倒れていられませんフィア捜さないと!ルーデック君に持っていかれちゃいますよ!ルーデック君余裕ないのかフィアの仲もギクシャクで・・・続きが気になる!!


いらっしゃいませ。
楽しみに待っているというお言葉、嬉しく拝見しました。ありがとうございます。

ルーデック君はこの頃、全然余裕はなかったですね。釣りかけている魚が逃げそうなので、慌てていたのではないでしょうか。この年頃の男の子の恋愛って、大体そんなもんだと思うんですよ。よっぽど精神的に成熟してる人とかをのぞいて。(それでも、昔の人はこのくらいの年でどんどん結婚してたんだろうけどなー)




一四章四話目読みかけ中ですが、あまりの糖度にここに駆け込みました。しゅたっ!★ ルーデック!貴様いつの間に!!(笑)でもこれ見てて浮かびましたよ ♪やまと~なでーしこ七変化♪(笑)(気になる人は一番の最後らへんの歌詞参照のこと


なんて気になるコメントをされるのですか!?(驚愕

ルーデックは、最初は端役だったのに、いつのまにか「2」の顔みたいになってました。センターのM田A子ちゃんみたいな。(?

と、私も謎なコメントをしてみました。:D




マリヤはお仕事を辞めて、新たにレイラが雇われたのかな?最新の会でウエイトレスの名前が変わってて、ちょっとアレ?と思いました。


失礼しました。ご指摘いただいて修正しておきました。(コメント頂いた少し後に)

最初レイラという名前だったんですが、途中でマリヤに変わったんです。なぜ変えたのかは自分でも覚えていないのですが、変えました。普通に「レイラ」で良かったんじゃないかと今は思うんですが、その時は何かそうしたい理由があったのでしょう・・・。うーん。(悩

自分では気づかなかったので、教えていただいて助かりました。
2012 / 01 / 19. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後3

続きです。




ついにヴィクターが動き出しましたね。どうでてくるのか楽しみです。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

彼は行動を始めると早い人なので、ここから後は展開が早くなるだろうなという予感はありました。けれども、それまでにフィアと新しい生活を始めているルーデックの存在もあり、「どうすんのかな」と(書いているほうも)思っていたんですが・・・。

『剣と剣』というタイトルをつけたときから、こうなる予定だったのかもしれません。
いつもタイトルは“勘”でつけているのですが、いろいろ内容を変更したあとで、結局タイトル通りにするのがいいと分かることが、この物語では比較的多かった気がします。




続きが…読みたいよーーーーーーーー


禁断症状がそろそろ出てきそうです。


こういうコメントを頂くたびに、「続きを書かなくては!」とひしひしと感じていました。
なかなか予定通りのスケジュールで進められず、お待たせしてしまって申し訳ありません。
書き込みありがとうございました!




ルーディックが段々微妙になってきました


すいません、ルーデックでした(汗)・・・ヴィクターさん頑張って!今は心臓に悪い展開でも最後はフィアと幸せになってください・・今迄それを願って読み続けてきたので、二人が結ばれな結末って・・・想像しただけでかなり凹んでしまいそうです(笑)


これだけやってきて、最後がフィアとルーデックの結婚式だったら、なんというか・・・泣くに泣けませんよね。そんなことにならなくて良かったです。

私の悪い癖というか、シナリオをきちんと作らずに、その場その場の分岐点を見ながら次を考えるというところがあって、『剣と剣』の章も、最初は違う結末を予定していたりしました。(あの勝負ではルーデックが勝つはずだったんです。)

でも、やっぱり違うなという感じで、そういうのを書いているとパタッと筆が止まってしまうんですね。納得がいかなくなったら小説は続きが書けないんですよ。本当に。それで色々悩みつつ、最後はやっぱりというか、ヴィクターが勝って終わりました。名前からしても、負けちゃいけないだろうという。




まだかな~待ってます!


ヴィクターさーん!!


切実な呼び声が聞こえてきて、「早く続きを出さなければ」と思いつつ、2011年の秋はバタバタしておりました。投稿作を書かなかったら、もっと早くこちらを進められたのですが・・・。

でも、それを書かなかったら、この話の最後も書けなかったかもしれないと思ったりします。
ネットで連載をしているのだから、できるだけ間を空けずに書いたほうが良いんですけども。X0
時間の使い方というのはつくづく難しいものです。




楽しく読ませてもらっています。やっぱりフィアがかわいくてしょうがない(笑)


ありがとうございます。
フィアはかわいい子なんですよ。かわいくないところがあるとしたら、それは書いている人が悪いのですね。ウン。
そこを脳内補完して、正しい姿で見ていただけたなら、ありがたいかぎりです。




待たされるほどに、期待もつのりつつ・・・(笑)体調を崩されてるのでしょうか?心配です・・


正直なところ、パソコンが壊れた時は自分自身も絶不調でして、一日に三回も嘔吐してました。終わったから言えることです(笑 どうも貧血と低血糖かなんかになっていたらしく・・・。(鉄分補給してるんですけどね~)

それについては、作品とは無関係の話(適切な食事の話)になりましたので、【別記事】にまとめました。良かったら見てやってください。ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。(ぺこ




つーづーきー


こんにちは。
この前後、スパムに悩まされ、スパムフィルターをつけるのに悪戦苦闘したのですが、「ひらがなのみの書き込みも弾く」と説明書に書いてあり、「ひらがなだけってことはないだろうな」と思ったら、ここでお見かけしたので、「あった!」と思いました。(笑


続き楽しみにしてまーす


いつも読んでくださってありがとうございます。
なんとか完結しました。お楽しみいただけたでしょうか。


パソコンが原因だったのですね~体調とか他の事情かと心配してたのでホッとしました。安心して続きまってまーす!!(笑


それが、パソコンを買うお金もなくてですね(しばらくバイトしてないのでど貧乏人)、光回線を一緒に申し込むと安くなるという裏技を使って、六万円のパソコンを三万円で買ってきました。(世知辛いよ)



おかげで回線が5M→50Mになり、パソコンもけっこうちゃんとしたやつが安く買えて、結果オーライでしたけども。とにかく画面がデカいんですよ! テレビ見れるやつだから・・・。(繫がないから見ないですけども)

小説を書くときにはウィンドウをたくさん開くので、いちいちフリーズしなくなったのと、狭くなくなったのが嬉しい点です。USBをつけて擬似メモリ代わりにする機能を使っているので、パソコンにはメモリ2Gしか積んでませんが、今のところフリーズなしです。

・・・はっ、また関係ない話をしてしまった。




続きが読みたくて読みたくて仕方ありません・・・・じーーーっと待っています。


書き込みありがとうございます。
じーっと待ってくださってありがとうございました!
年内完結しようとして、結果的に一月にはみ出してしまいましたが、なんとかお届けすることができました。お楽しみいただけましたでしょうか。


まだかな~クリスマスプレゼント欲しいでっす(笑


クリスマス前に出したかったですねpq
少し遅くなってしまってごめんなさい。
ちょっとしたお年玉になっていたとしたら嬉しいです。
2012 / 01 / 19. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後4

続きです。






一気に加速!ですねvvフィアを掛けての勝負でしょうか…皆、頑張れッッ


いらっしゃいませ。書き込みありがとうございます。^^
これは、えーと、ようやく更新再開できた時ですね。

やはり「騎士」というからには「騎士らしいこと」をしたらいいじゃないかと、最終的に「馬上槍試合で戦う」という流れを取りました。

この作品の連載を始めたころ、「騎士」というテーマはどちらかというとマイナーなものでしたが、最近ではむしろメジャーな題材になっているようです。西洋ファンタジーが好きだけれど、何を読んでいいのか分からなかった自分の経験を振り返ると、時代の移り変わりを感じます。

「騎士」といえば、もちろん古典は『アーサー王伝説』ですよね。いつかあれを自己流に書いてみたいと思っていましたが、その願いはこの作品で(図らずも)果たされた気がしています。子供の頃は「キリストの血を受けた聖杯の探究」というテーマがチンプンカンプンだったんですが、たぶんヴィクターには、その答えが分かったんじゃないかと思ったり・・・。




ヴィクターさんがついに動き出した!フィアをどんな風にして捕まえるのか楽しみ。やっぱりなんだかんだでヴィクターさんがしっかり動き出そうとすると応援したくなる。


こんばんは。いらっしゃいませ。
本編は完結いたしましたが、少しでもお楽しみいただけましたでしょうか? そうであればいいなと願っております。^^ (最終的にはかなり強引に捕まえてしまいましたが・・・!)




ヴィクターさんがフィアをどう口説くのか今から楽しみでしかたないです!


こんばんは。感想ありがとうございます。

愛の言葉で口説くというより、行動(追いかけとか、押し倒しとか・・・)で示すタイプだったのかなと思います。結局、本編中では一度も「愛してるよ」と言わなかったような気が・・・。全文検索かけても「愛してる」の一言が出てこないんですよね・・・。「1」「2」あわせてHTMLファイルが400もあるのに・・・。-ー;




うわ~ん!!待ってました!更新嬉しいです!ヴィクターさん行動力が男らしくて素敵。早くフィアを捕まえて~!


お待たせしました。
なんだかんだとすれ違い続けてきた主人公二人ですが、最後の最後で一緒になりました。ヴィクターは草食系でも肉食系でもなく、「英雄系」(←今作りました)のキャラなので、やると決めたらやってくれます。そこはなんとも頼もしかったです。迷わずにどこでも飛び込むから・・・。(生身の人は真似したらいけないですね;)




やっぱりヴィクターさんはやってくれますね~!!フィアのことだけで勢いで飛び出すんじゃなく、同時に色んなことを考えてすべてを解決に持っていこうとするところが素敵です!やっぱりできる男はイイ!!


続きキター!「半年ていど」に吹きましたvvヴィクターさんて時々過激な行動に出るけど、地は慎重な気がする。う~んやっぱりイイ男♥


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。
そうですね。ヴィクターは、行動する時にはするけれど、基本的には熟考型かもしれません。あと、たぶん面倒見が割といいタイプです。なんだかんだいって書くのが楽しい人で、しばらく書けないかなと思うと、私も寂しいような感じです。

「騎士と乙女」には書いてない部分がたくさんあるので、また折を見て何か出したいなとは思うんですが・・・。他に手をつけている作品も順次完結させたいので、今年はなかなか出来なさそうです。;_;




わーい!!更新嬉しいです!この年末年始にまた1から読みます!


こんにちは。書き込みありがとうございます。
年末年始の貴重なお時間を、この作品に使っていただいて良かったのかと恥じ入りつつ(!)、読み返してくださってありがとうございます。いたらぬところが多いですが、少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。^^

(誤字脱字を見つけたらメールで教えてやってください。あとでこそこそっと直しておきます。)



ヴィクターさん「捕まえに行く」ってカッコイイですね! でもルーデックが自分なりにケジメつけようとしてるので、邪魔しないでほしいなぁとも思ったり…。ヴィクターさんはおいしいところ掻っ攫っていきそうで少年(青年?)が心配です。


こんにちは。感想ありがとうございます。

最終的にはおいしいところをかっさらっていった・・・のかな?! やっぱり主役というポジションの優位さですね。もしこの作品がルーデックが主人公だったら、ヴィクターはさぞかし悪い王さまとして書けるに違いないのに・・・。(ちょっと書きたいですよね、そういうの)

槍試合では、ルーデックが勝つパターンも書いてみたんですよ。でも、やっぱり締まらなくて。主役を張れる役者と、そうでない役者がいるように、ヴィクターは主人公、ルーデックは脇役というポジションがやっぱりしっくりきた感じです。脇役ももちろん大事で、できるかぎり活躍させようと心がけてはいるのですが・・・。活躍しすぎるとおかしなことになってしまいます;(たびたびやってしまいます)



うわー!!待ってました。興奮のあまりト書きのように読み飛ばしてしまいました。またおちついてゆっくりと読みまふ。わたしのクリスマスプレゼントはここだったのね


こんにちは。いらっしゃいませ。

またも貴重なお時間をいただいてしまいました。(このとき、たぶんクリスマスは過ぎておりましたが)楽しんでいただけましたでしょうか?

秋に別作品の執筆を挟んでしまったため、しばらく頭が切り替わらなくて困りましたが、いざ最終章を書き始めるとどんどん進みまして、年末年始はこれを書くのに明け暮れた感じです。だいぶ書き直しもしてしまい、ボツもたくさん出来ましたが、今サイトに上がっているものが自分では一番良かったかなと思います。





(この時期、サイト管理に行き届かないところがあり、スパム投稿などでお見苦しいところがあった点を改めてお詫びいたします。ご注意いただいた方、対策について助言くださった方、お手数をおかけしました。ありがとうございました。)
2012 / 01 / 25. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後5

続きです。




更新キター!今年はもう更新はしないものだと思っていたので嬉しいです。 デュリさん、ひさしぶり~♪ フィアもビクターもriraさんも、よいお年を!


こんにちは。感想ありがとうございます。

間が空いてしまって申し訳ない; 何を思ってか「年内完結予定です」と言っていた私に、「今年はもう更新はしないもの」と思ってくださっていたというお心遣い、さすがというか・・・。感服いたしました。(そして反省もいたしました;;)

そちらは良いお正月を過ごせましたか?
私は4日と5日に一泊二日で出雲大社へ行き、おまいりできたので、それで正月気分を満喫したという感じです。ただ、大社は修復中なので、あと数年は物足りない感じかも。近くの博物館が内容充実なので、顔を出すと面白いんですけどね。特に古代アニメが良い!




うおおおヴィクターさんファイトー!riraさんも無理せず頑張って下さい!


いらっしゃいませ。書き込みありがとうございます。
本編、お楽しみいただけたでしょうか? なかなか糖度が上がらず、最後の最後まで「ほんとにくっつくのか?」と疑心暗鬼でしたが、土壇場でなんとかなってホッとしています。

この作品は、長いあいだ「なぜこれを書き続けているのか?」と自分でもよく分からないところがあったのですが、完結間際になって色々と不思議なことが起こり、「これを書くべくして書いていたんだな」とようやく納得できました。

趣味的な感じで書いたときもあれば、集中力が下がっていた時もあり、波が激しかったのですが、常に応援してくださる方々の存在に支えられました。「続きを読みたい」と言ってくださるみなさまがいなければ、私はサイトの運営を一年か二年で投げていたんじゃないかなと思います。本当に感謝、感謝です!




更新、待ってました!やっぱり、ヴィクターとクリステラの共謀でしたか。みんな、ファイト!


こんにちは。感想ありがとうございました。
クリステラさんは、「公爵令嬢って、どんなもんなんだろう?」という私の疑問に答えてくれたキャラでした。育ちがよくて、おっとりしているのに妙な責任感があり、笑い上戸で、面白いことが大好きという、いかにもお嬢さまな方でした。彼女が登場してくれて良かったです。

ヴィクターとクリステラは、くっつけようかなと考えたことも五秒くらいあったかと思うのですが、どう考えてもくっつかないなと思いました。(笑 そもそも公爵家というのが、王家の(遠い)親戚筋の人々なので、恋愛対象ではなかったのかもしれません。




ヴィクターさんとノイエの掛け合いに笑いました。ルーデック君も大変なときにやってきたなぁ。続き楽しみにしています。


こんにちは。感想ありがとうございます。
ヴィクターとノイエのコンビは、これはこれで妙な組み合わせでした。「1」と「2」を通して、この二人は妙にぎくしゃくしていたのですが、最終的にはあんな感じになってしまいました。(・・・)

「2」の冒頭と最後を比べると、扱いのヒドさが何かこう・・・。最初はけなげに国王命令に従おうとしていたのに、最後になったら「もうそんなもんどうでもいい」という、ノイエの変わりように着目していただけたら嬉しい・・・です。




まさかヴィクターの嫉妬が見れるなんて…! 初めての感覚で本人戸惑ってるみたいですが、読者としてはニヤけが止まりませんw


ヴィクターはこの後、どんどんその傾向が強まっていくと思われます。
何年後かには、フィアに横恋慕しようとする男たちをどうやって遠ざけるかとか、そんなことばかり考えているんじゃないでしょうか。・・・あ、たぶんそのあいだにちゃんと執務もしてます。(してないと困るよ!)




ヴィクターさん着々と迫ってますねー。居心地のいい場所から逃げない習性って(笑)


フィアはちょっと小動物的なイメージのあるキャラです。ウサギとかシカとか。
逆に、ヴィクターは狩人的なポジションにあるキャラですね。弓は苦手らしいですが。

余談ですが、鹿は、キリスト教では象徴的な存在です。その理由は諸説あって曖昧なのですが、教会は鹿狩りを禁止しようとしたとか。イノシシはいいけど鹿はダメとか、ある意味ではよく分からない線引きなのですが、牙をもたない生き物に対して、乱暴にしてはいけないという、そういう素朴な考え方があるのかもしれませんね。




ルーデックさんの命運やいかに?!馬の骨の塵すら残らないか、あふれる若さで健闘か?・・楽しみです


馬の骨扱いされてしまったルーデック・・・。ちょっとかわいそうでした;
ルーデックはまだまだいろんなエピソードがあるキャラなので、彼のその後はいつか書きたいなと思っています。将来的にヴィクターの右腕とか左腕とか呼ばれるのは、ノイエとルーデックなのですよ。(それぞれ、政治界の中心と、騎士団の中核になります。)




ヴィクターとノイエの掛け合いがおもしろすぎます!仲良しだなあ(笑)続き‥続きをお願いします‥!


年末年始、大量に更新してしまい、「読めなかったらどうしよう」と心配しました。
でも、皆さんあっというまに読破してくださり、「しまった・・・」と内心思いました。本当は全部一度に出してみたかったんですが! (「うおーこんなに読めねーよ!」とか言われてみたかった)




久しぶりのヴィクターさんとノイエさんの掛け合いが面白かったです!ルーデックの運命やいかに?


最初の頃は緊張感のある関係だったのに、最後なんか・・・アレでしたよね。
ヴィクターとノイエは、たぶんこんな感じでこの後もつきあっていくと思います。この二人は、そういう付き合いのほうがいいのだろうと思いますし。




この小説はキャラが本当、成長して面白いですよね。ノイエ…最初の貴公子はどこにいったの!!でも今の方がすき。自分のダークさに気がついているんでしょうか彼は。『どこの馬の骨』いいやがりましたよ!どこの馬の骨って(笑)


ノイエは最初は王子様キャラだったはずが・・・。でも、今の方がすきと言っていただけて嬉しいです(笑 基本的にウルヴァキア王国はドイツ・ハンガリーあたりをイメージしているのですが、ノイエの生まれた南部はオーストリアらへんなので、もう少し貴公子然としてても良かったかなー?

~余談~
ちなみにヴァレンヌがフランス、ワシュトリアがロシアのイメージです。普通に考えるとヴァチカンはイタリアにあるのですが、この作品では教皇庁(法皇府と言ってますが)はフランスのイメージでした。教皇が二人立った時代がヨーロッパにはあって、そのときはフランスのアビニョンにも対立教皇がいたりしたので、その頃の雰囲気です。別作品は史実ベースのもので、ヴァチカン教皇庁が舞台のど真ん中なので、イタリアを避けたかったというのもあります。




ルーデック……その覚悟は良かったけど、タイミングが悪すぎたね。まあ、頑張って散るといい←おい


なんだかんだいって主人公強かったです。そうなるのがふつうなのに、なぜかこの作品では、「脇役にとって代わられるんじゃないか」という妙な緊張感が・・・!


ノイエさ~ん!捜査の基本は近隣への聞き込みですよ! ヴィクターさんとの遠慮ない言い合いが楽しかったです。


RPGでも、村人に話を聞くのが基本ですよね。そうしないと大事なイベントが・・・。
遠慮ない言い合いは、本来ならヴィクター・レヴィンコンビの専売特許のはずが、レヴィンは縁の下の力持ちに徹してしまい、あまり表に出てきませんでした。「1」で地味だったので「2」では出てくるかと思ったら、出て来ず・・・。歴史書には名前を書かれないタイプの人みたいです。




待った甲斐があった…!こんながっつり追いかけてくるヴィクターさんが見られるなんて最高だー!もっと!もっと必死になるといいのに!


いらっしゃいませ。

この時点より、さらに最後のほうががっつり追いかけていった感じです・・・!? けっこう必死で頑張ってくれたと思うのですが、いかがでしたでしょうか。少しでも楽しんでいただけるものになっていたことを祈ります。




つづきつづき!!わくわくそわそわ。次の更新まちきれませぬ~っっ


掲示板をチラチラ見ながら執筆作業するというのも、この作品ではすっかり慣れましたが、こういうお声をいただくたびに「なぜもっと執筆スピードが上がらないんだ!?」と自分にヤキモキしました。

お楽しみいただけたなら幸いです^^
2012 / 01 / 25. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後6

メール感想をお寄せくださった皆様、本当にありがとうございました。
いただいてから三日以内くらいに目を通していたのですが、なかなかきちんとお返事する機会がなく、申し訳ありません。メールのお返事となると、なぜかいつも以上に気合を入れないと書けないのです。(何かこう、しゃんとする雰囲気で) もう少しお待ちいただければ幸いです。



ではでは、続きです。




怒涛の更新、ありがとうございます!ヴィクターとノイエの掛け合いが面白いです。続きも楽しみです。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。
怒涛の更新になっていたら嬉しいです^^
完結してしまい、自分でもちょっと気が抜けたような感じで、「メシだ!フロだ!」と自分を叱らないとウトウト昼寝をしてしまいます。年末年始にエネルギーを使い果たしてしまったんでしょうか?(多分それ)

他の作品の構想を練ったりしつつも、やっぱり長く書いていたこの作品には愛着があり、あそこも直したい、ここも直したいとつい考えてしまいます。今ならもっと格好よく書いてあげられるキャラがたくさんいる気がする。主人公も含めて。




おもしろ~い!やっぱりとっても面白いです!!本になったら絶対買います!!ぜひ出版してください☆笑


こんにちは。感想ありがとうございます。
面白いというお言葉をいただき、本当に嬉しく思います。なかなか出版するほどのクオリティには達しておらず、あちこち直したいところが多いのですが、いずれはもう少し完成度の高い形にまとめたいという野望はあるのですよ! いつになるか分からないので、なかなか「いつ!」とは言えないのですが・・・。

とりあえず、別の作品も書きつつ、武者修行してきますよ!




待っていました!!よかった~年末に楽しみが増えて!!ヴィクターさんとノイエさん面白いですね(笑)二人そろって失恋??(笑)次の展開が楽しみです!!


こんにちは。いらっしゃいませ。
本当はもっともっと長く書ける作品なのですが、とりあえず一区切りしました。
年末年始、他にも楽しいことがたくさんあるでしょうに、こちらに足を運んでいただけたことを本当に幸せに思います。

密かにオマケ話の執筆も始めていたのですが(やっぱり早く書いたほうがいいと思いまして、完結後からチマチマと・・・)、どう見ても十八禁(しかも微妙に凌辱ぎみ..)になってしまったので、自分にいろいろとガッカリし、いったん中断したことは秘密にしておきますね。




次の更新まで最初から読み直してます^^♪あと何話あるのかしら。一杯読みたい…どきどき。


最初から読み直しというお言葉が一番「はわわわ!」と震え上がるものなのですが、震え上がらなくてもいいように、あまりにもおかしなところはこそっと直しておかなくては(笑 すでに、「どう考えてもここは寝ながら書いていた」というところは削ってあったりします。

削るだけでは減る一方なので、どこかでまた外伝的なお話を挟まないとな・・・。完結しても悩ましい作品です。


面白すぎです。もうすぐ連載終了ということで嬉しいような寂しいような・・・すでに続編希望です!!


続編で書けるものはたくさんあるんですよ。外伝も全然片づけてないですし。
「とにかく本編が終わってから」と思ってたので、今後のことも少しずつ計画していきたいところです。ただ、今年は投稿作品を三~五作品は執筆したいなと思っているので、今年はそちら優先でがんばる所存です。

自分自身、この作品が終わってしまうと気が抜けてしまうんだろうなあと思いつつ・・・。みなさんと一緒にこの作品を創ってこれたのは、本当に幸せなことでした。




メンツが出揃った馬上槍大会、何が起きるの!? 正月休みにこんな楽しみが待ってるなんて!ステキなお年玉ありがとうございます!


こんにちは。感想ありがとうございます。
喜んでいただけて嬉しいかぎりです^^ 難航しているオマケ話ですが、なんとか早急に書き上げたいと思います。いろいろと頓挫してしまい、「こうなったらもう『国王陛下、月へ行く』とかにしないとな」とか、頭の中が迷走しているのですが・・・。

オマケ話のほうも、回を重ねるごとにじりじり分量が増えてきて・・・。最初のころはちょっとした座談会とかだったんですけどね;




ヴィクターさま! 基本的に満遍なくひどいあなたが大好きです!


「満遍なくひどい」・・・。素敵なキャッチコピーになりそうです。(ふふ
なんだかんだいって、やっぱり彼がこの物語を引っ張ってくれたと思うので、感謝しているキャラクターです。ある意味では、フィアよりもヴィクターのほうが主人公だったと言ってもいいような。




思いの外、ルーデックが健闘してくれて嬉しかったです。ヴィクターが手抜き(酷)をしてたのもありますけど…


やっぱり、ルーデックにはルーデックのエンディングを用意してあげないといけないなという思いがあって、いろいろ考えた結果、『剣と剣』の章は彼の物語になりました。

ちなみにルーデックの前身で憲兵のジョルトというキャラがいたと思うのですが、本当は彼をルーデック的なポジションにしようと思ったのに、なれませんでした・・・。(なんで駄目だったんだ・・・) 彼はあの事件がショックで憲兵をやめてしまったのですが、あとで騎士団に合流することにして、許してもらおうと思っています。ルーデックとは年が近くていいコンビになる気がします。




待ってました!ほどほどにって、たぶんフィアも思ってそうだ(笑)


なんかね、はっきり言わないんですよ。「好きだ」とか「愛してる」とか。
たまにはそういうことを臆面もなく言うキャラを出してみたかったです。口に薔薇をくわえた感じで。(ちょっと無理があるか)




怒濤の更新に興奮しぱなっしです。フィアにもルーデック君にも幸せになってもらいたいです。ヴィクターさんは別に…(笑)


打ち上げ花火のように更新してみました。楽しんでいただけて良かったです^^
フィアとルーデックとヴィクターの三人は、この先もまだまだいろんなお話がある関係だったりします。オマケ話で出せるかな、出せないかな、と微妙なところです。一月もあと少しなので頑張ってきますよ!




良いところで途切れた…!ルーデック君頑張ったなぁ。ぶーぶー言ってた昔よりも成長しましたね。


ルーデックは書いていて楽しいキャラでした。「1」のときのエドアルド的な感じで。
毎回いろいろな恋敵が出てきますが、まともに張り合ったのはルーデックだったかなあ。そう思うと、勇敢なキャラだったと思うんですよね。ヴィクターと張り合うって、普通の人だとあんまり勝ち目がない・・・。王様だし。




更新楽しみにしてました!!フィアにはヴィクターが一番だけどルーデック君も幸せになって欲しいな


ありがとうございます^^
ルーデック君には、今回は良いお相手が見つからなかったようなので(行きずりの恋人はいたようですが!) いつか彼にぴったりの人を出したいですね。どんな人だったらいいんだろうなぁ。


むわ~!更新が早くてすごく嬉しいです!ありがとうございます。そしてルーデック君お疲れ様!


あれを一度に出せなかったのが残念ですが、最後まで連載として楽しんでいただけたことは良かったかな?と。ネットで連載するというのは、ライブハウスみたいな感じで、いろいろと大変なこともありつつ、楽しかったですね。暇さえあればいくらでもやってると思います、ほんとに。




なんや、かんやで王様も大変。どこもお金は無いものですな。・・・「ほどほど」のお二人には、ちょっと廊下に並んでもらっていろいろとお聞きしたいことがあります!!!


ウルヴァキア王国は財政難ですが、原因は、前の王様と側近たちがお金を使い果たしちゃったんですね。娼婦とかに注ぎ込んだので・・・。しかも、銀とか掘ったやつを外国に流していたので、余計にお金がなかったという。(流れたやつが外国で銀貨になっちゃうので)

中世の時代は、王さまや貴族が好き勝手に税金を取れたので、今より大変だったかなあと思います。川を渡るだけでも「渡河税」みたいなのを取ったんですよ。たしか、歩いて渡るのと、船で渡るのは金額が違っていたような記憶が・・・。(まあでも、今の日本の高速料金とかよりは断然安そうだ)

もちろん中世の庶民も、黙って重税に耐えたりはしません。革命を起こして王さまや王妃を処刑台に送り込んでしまいます。人類の歴史は、常にそういう「利害が対立する人と人との戦い」の中で前に進んできたのですね。そういう、渦巻くような強いエネルギーが現代にはないので、それも経済や文化が停滞している要因の一つかなとは思います。

>ほどほどの二人

照れ屋なんですよ。(笑
たぶんけっこう独占欲の強いタイプなので。




ヴィクターさんほどほどって!さすがというか。それでもフィアをとられまいとする姿はかっこいい。ここからどう盛り返すか!


やっぱり、男の人には追いかけて来て欲しいですよね。
フィアくらい逃げ回る子もあんまりいないと思いますが、ヴィクターも根気よく追いかけていたなあと・・・。やっとくっついたので、さすがにもう離れることはないと思います。ここからが一番糖度が高いところでした。(Σ書けなかった
2012 / 01 / 25. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後7


続きを!


はい、レス続きますよ!

それにしても毎日寒い日が続きますね。こちらは大雪ですが、そちらは大丈夫でしょうか? わたしの部屋は二階にあるのですが、窓の外にツララが出来ているのを見たのは本当に久しぶりでした。



両者、見事。ヴィクターさん、フィア相手に第2ラウンド開始ですね。


こんばんは、いらっしゃいませ。

フィア相手の第二ラウンドは、ある意味ではこれからという感じですが、きっと今まで以上に苦労があることでしょう。(涙 フィアのお守りを任せられる人は、本編中、他を見回してもやはりヴィクター以外にいないという気がします。




次はやっと、ヴィクターとフィアの再開でしょうか?どうなるのかドキドキわくわくが止まりません。でも、ルーデックもよく頑張った!


こんばんは。感想ありがとうございます。

ルーデックは書いていて楽しいキャラでした。生意気で、気が強い感じで、男の子らしいというか。この小説ではキャラの外見をあまりしっかり書いてきませんでしたが、ルーデックは、私のイメージ的には「眉毛がしっかりしてる感じ」です。でも、他の人のイメージは違うかもしれないので、本当は小説の中にイメージ描写みたいなものはいらないのかなあと、今でも思っています。




ここからヴィクターさんがどうやってフィアを拐っていくのか、想像できません!続きをお願いします!


こんばんは。いらっしゃいませ。

たぶん、彼はその気になればいつでもフィアを攫っていけたのだと思います。
でも、時期を待とうと思ったんでしょうね。年も10歳くらい離れてるし。
本編中、フィアはずっと「教会に行き、お祈り札をもらってくれば子供が授かる」と信じていたのですが、もしかしたら今でもそう思っているかもしれません。教育には時間がかかりそうです。(でもきっと楽しいんだろうな、あの人にとっては・・)




疲れた顔だったから戦意が戻ったのか、フィアの顔を見て戦意が戻ったのか、どちらなのか気になりました。それから、ルーデックとの結婚を決意していたフィアが、負けたルーデックと、実は対戦相手だったヴィクターとどういうやり取りをするのか、フィアのこれからの心の動きが楽しみです。


こんばんは。いらっしゃいませ。

どちらなんでしょう?
もしかしたら後者かもしれないですね。ただ「顔を見たかっただけ」という。
(ワシュトリアからまっすぐに来てそれだと、妙にかわいくなってしまう・・・)




まとめ読みも捨てがたいですが、少しずつでも読みたいですッ こんなに小説の続きを首を長くして待つって久々の感覚です。嬉しいけど辛い…笑


できればまとめて出したかったんですけどね。最後まで連載形式でした。
本編を楽しんでいただけたなら何よりです^^ ありがとうこざいます。
また楽しい物語を書いて、皆さんにお目に掛けられたら。




ヴィクターさん、情熱的なのかどうなのか良く分からないところが憎めない!


人の見ているところでは、言わないんですよ。たぶん!




国王既得の情報を真に受けてる騎士がいないのは、笑わせてもらいました。さすがによくわかってる。


真に受けさせようと思って進めているのに、書いてみると真に受けていないという・・・。
この物語では、脇役まで言うことをきかなくて困りました;




ほどほどに!って(笑)王様っておっさん思考ですね。若者がうらやましという立場はまだ早いような。ルーデックの若さに好感もてましたよ


ヴィクターは30前ですから、今の感覚でいうと「若者」なのですが、中世のころは二十代は「新人」ではなく「働き盛り」なのですね。といっても本人は、ルーデックのように正面からフィアに「好きだ! 俺と結婚してくれ!」と何回も言ったりする気は全然ないわけで、年齢の差というよりも、そこは性格の差なのかなと。




完結間近ということで最初から再読してました!一気読み!フィアvsヴィクターさんがどうなるのか楽しみ!ルーデックにも報われて欲しいんだけど・・・


お読みくださってありがとうございます。
ルーデックは、つらいことがあっても、あまり不幸になる感じのしないキャラというか・・・。過去の思い出を胸にしまって、これからは自分の意志で人生を歩んでくれるのではないでしょうか。威勢がよくて、書いていて楽しいキャラでした。「1」のときのエドアルドと同じくらい気に入っています。




次の更新予定日は…


更新楽しみに待ってます!


こんばんは。書き込みありがとうございます。
大量にボツが出てフラフラになってるときに、こうしたコメントは本当に力になりました。感謝です。本編のほう、少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。




フィア、ヴィクターの幽霊でも出てきたと思ったの?……ありそうですね。


ありそうです・・・ね。X(

幽霊といえば、以前、「フィアが城の中で幽霊を目撃する。恐れをなしてヴィクターの寝室に駆け込む」というボツシーンがあったのですが、今思うと「飛んで火にいる夏の虫」って感じですよね。




期待を裏切らないフィアの反応(笑)普通の娘と違い、こう意表をついて笑わせてくれるから好きです!!完成おめでとうございます!待ちに待ってました!次も楽しみです^^


この作品も長く続けてきて、「連載してる状態がふつうなんだから、終わらなくてもいいんじゃない?」みたいに考えることも無いではなかったのですが、やっぱり物語は終わるべきもので、そのタイミングも近づいてきていると感じたので、勢いに乗って書き上げました。お祝いのメッセージをくださってありがとうございます^^




気絶!予想外の反応(笑)ヴィクター様なんだか悪い人みたいで素敵です。ふふふっ。フィアに好意を寄せてくれる男性って王様以外あきらめがよすぎですよね


別のほうからこの小説を見ると、ヴィクターはある意味「悪のボス」みたいなもんです・・・。けして白馬の王子様ではありません。(それ言うなら、黒馬の魔王様だよね...)




キャラ総出!!クライマックス!一気に伏線回収ですね~!!盛り上がります!


自分でも前半のストーリーをかなり忘れていたのですが、解決編を書いてみると、「そうだったのか!?」と分かることが多く、最初からそれを見越して前半を構成していたらもっと面白く読めたのになぁと、自分で自分に残念な思いを抱きました。;_;

まあ、そういっても前半を全部改稿するわけにはいかないので、そのまま残して、後半は後半でストーリーを追及しました。読み苦しくて申し訳ありません。そんな物語でも余裕で楽しんでくださる皆さまには頭が上がりませんでした。




そうでした、カタリナ嬢の問題がありましたね。ここで繋がってくるんですね!皆に幸せになってもらいたいけれど…。


もうみんな忘れていたカタリナ嬢のお話でした・・・。
ノイエの侍女のツェツィーリアさんとか、回収してない伏線があるのですが、たぶんデュリが裏で片付けたんだろうなと思うことにします。(ほとんど探偵みたいになってる)





いったんご飯食べてきます。('o'/
2012 / 01 / 27. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後8

東京に出張していた妹が帰ってきて、
空港土産のチーズケーキを食べながらのお茶会をしてしまいました。夜なのに!!
でも、体に悪い人工甘味料とかじゃないからいっか~。^ー^モグモグ...




「俺はおまえとしか結婚しない」という愛の言葉が、脅し文句にしか聞こえない…(笑)2人はやっぱこう、間が抜けてこそですね!


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

脅し文句に聞こえてしまいましたか・・・。愛の告白だったのですが・・・。
槍試合の最後でフィアが気絶したのが意外な結末だったのか、ちらほらと突っ込みをいただいてしまいました。やっぱりあそこは抱き合ってキスシーンだったのか? (そりゃそうだろう)




レヴィンが出てくるとテンションが上がる私。うだつが上がらないって…酷い。あい変らず酷い(笑)皆成長していくなぁ。


あなたのためにレヴィンの物語を書き下ろしたい気持ちです!(笑

レヴィンは、実はけっこう過去が壮絶な人なのですね。家族をほとんど失って、国も失い、ハイネベルク公国というところに流れ着いた人なのです。レヴィンが出世したかったのは、祖国を失ったという経験からなんですね。

という苦労人なのに、本編ではあまり活躍しなかった・・・。
アクが強いキャラなのに引っ込んでるって、どうなんだろう??




すごい!フィアと王様が再会したかと思えば、あちらもこちらも、あの人もこの人も出てきて急展開!ラストまで頑張ってくださ~い!


思えば、聖ドロテアのお話ももっと書けたのですけどね。フィアが「小公女セーラ」なみにいじめられるという、ちょっと「世界名作劇場」的なお話を予定していたのですが、ドロドロしすぎているという理由でやめたんです。今になってみると、やっぱり入れといたほうが良かったかなと。カタリナがいじめっ子として輝いているところですし。




レヴィン待ってました!ヴィクターこと本気で心配していて、面白かわいそうでした(笑)


そんなに登場するわけではないのに、地味に気に入ってもらえているレヴィン。果報者です。
彼は弱っているものに対しては強く出れないんですよ。本当はいい人なんです。(←?)




ルーデック、成長したなぁ。正々堂々勝負したから踏ん切りもつくし、今後の成長の糧にもなったようだし。数年後が楽しみですね。


素敵なコメントありがとうございます。
まさに「数年後が楽しみ」なキャラになってくれました。ウルヴァキア王国は、これからも山あり谷ありで、けして平和な時期ばかりがあるわけではないのですが、ルーデックはヴィクターをしっかり支える騎士になる予定です。その頃の彼は、頼りがいがあってかっこいいのですよ!




ヴィクターさんが全然爽やかじゃない(笑)むしろ悪役っぽい(笑)けどそんなあなたが好きです!あとイグナーツが死ななくてよかったー!!


最初の登場シーンから、なんというか・・・悪かったですよね。この方;;

イグナーツは死にそうなオーラが出てなくて、死なないだろうなと思ったんですが、やっぱり死ななくてよかったです(笑 物語は架空のものといえど、キャラが死ぬのはつらいですしね。エドアルドを書いたときに、「今後は、無意味にキャラを殺すまい」とすごく思わされてしまったというか・・・。




フィアとヴィクターさんの二人が一緒にいて会話をしているシーンが貴重に感じられます。メインカップルなのに!(笑。「いい加減にあきらめろ」ってフィアからしたらなんか理不尽…。でもとっ捕まえてる感じが楽しかったです。


なんだかんだいって、すれ違ってましたもんね。
これからは甘い生活ですよ。読む方がウンザリしてマウスを投げたくなるくらいの甘ったるい生活ですよ。口直しにホヤ貝とかが必要になりますよ。(ホヤ貝って苦いらしいから。食べたことないですが・・・)

いやでも、一度くらいは書かないといけないですよね、そういうの。
そう思って真正面から「甘さ」に取り組んでみたら、十八禁になっちゃったんです。
・・・やっぱり何か違うな??




カタリナよかったーー!!ことの真相もわかってきて、スッキリしてきました。でももうすぐ終わっちゃうのかと寂しくもあります…ううっ; riraさん更新お疲れさまです。


私も、皆さんとワーワーやれないのかと思うと寂しいです;_;
ネットで小説を連載するというのは、「毎週スイミングクラブに通う」みたいな感じで、けっこう苦しいときもあったんですが、掲載するたびにいろんなお声をいただけて、それが楽しくてここまで続けてこれました。水泳のあとのアイスがおいしいみたいな感じで。

自分ではちょっと飽き症なところがあって、小説を途中で投げたりしやすいんですよ。(完結までいったのはほとんどないです) なので、今までこの物語を読みつづけてくださった皆さまにこそ、「お疲れさまです」と言いたいです。^^ (そして、あの難病である『未完結病』を脱出できた気もしてます)
2012 / 01 / 28. Posted in 感想レス [編集]

一行感想レス@完結後9

続きです。




海のシーン素敵でした。


いらっしゃいませ。感想ありがとうございます。

海のシーンは、最後は絶対ここに持っていきたいと以前から思っていたシーンでした。ちょっと迷うこともありましたが、やっぱりそれでいこうと。ちなみにあのシーンを書き上げた直後にイタリアで船が座礁したとニュースがあり、「やっぱりやめた方が・・・!?」と一瞬だけ思ってしまったのは秘密です。




愛!!とうとう、ようやく、・・・遂に!!認めましたね。最後の最後までフィアの為に命掛けでかけずり回る姿が良かったです(笑)フィアもキッパリ振る姿に、もうすっかり女だなぁと。成長したなぁ。最終章タイトルにもだえます。


こんにちは。いらっしゃいませ。

最終章のタイトルはスパッと決まりました。そこに着目してくださって嬉しいです。

フィアは、最後の最後までルーデックと一緒になるつもりでいたみたいです。トリエス港の浜辺に上がったあとも。それでたぶん、宿でちょっと揉めたんでしょうね。フィアはあくまでルーゲンに帰る予定だったろうし、ヴィクターのほうは「今さら帰すか」っていう。嫌われてもいいから自分のものにしてしまえっていう心境に、初めてなったんじゃないかと。・・・推測ですけども!




ヴィクターさんもう格好良すぎ!!命懸けで戦ってるんだからフィアにも無茶言わずもうちょっと空気読んで欲しいけど…それがフィアか。


彼は最終章は鬼神のごとく活躍してくれました(笑
抱きついて熱烈にキスするくらい、あっても良かったですよ・・・ね!?




怒涛のラストスパートや~ 嬉しいです! ヴィクター&フィアコンビはやっぱりいいなぁ…


この物語になんの気なしに「騎士と乙女」というタイトルをつけたあとで、ヴィクターは王さまだし、「騎士って誰?」と素で疑問に思ったのですが、なんだかんだいって主役の座は守れたのではないかと思っています。..きっと!




海のシーン素敵ですね、海の青はヴィクターの瞳の色ですし。やっとあるべきところに2人が落ち着いた…。


夜の海の色なんですよね。彼の瞳の色は。

船から海に飛び込むとか、普通ならしないし、やらないほうがいいことですが、小説のキャラクターだから許されるかなと。フィアが異国に売られるというネタも一度はやりたかったので、最後の最後に実現できて良かったです。




やっぱりヴィクターが一番だなあ。フィアもっとしっかりぃ!


フィアはまだ精神的に未熟で、何かとドタバタしていて、自分のことで精いっぱいで・・・。
でも、そういうのが十代の女の子らしいかなと思って、あえてそのままにしました。
大人フィアのイメージも出来てるんですが、大人フィアは意外にも物静かで思慮深い雰囲気だったり。




三時になりました。今日はここで寝ます。('人' おやすみなさい。
2012 / 01 / 28. Posted in 感想レス [編集]

ヴィクターの帰郷

ヴィクターの生家があるという村に着いたとき、フィアは彼の手を借りて馬から下りるなり、柔らかな草のうえに体を投げ出してしまった。
そのまま、そこから動かない。
「……何してる?」
さすがに訝しみ、彼は呆れたような顔でそれを見下ろした。
「もう、馬に乗らなくていいんだと思って。嬉しくて」
フィアは草のうえに横たわったまま、彼のほうを向いて笑った。春の光のように楽しげに。
トリエスの港街を出発し、それから半月近い旅のあいだずっと馬に乗っていたから、そこから解放されるのはすがすがしい気持ちがした。
「ここが目的地だからな」
彼は一度は物わかりよく頷いてみせたが、すぐに「汚れるからよせ」と注意した。
馬は馬で、フィアの態度が気に入らないというように首を下ろして鼻息を吹いてみせた。フィアはその馬──雄だから彼というべきだろう──に鼻先で威嚇されているのを感じながらも、道中、本当によく歩いたり走ったりしてくれた馬なので、そこのところは心から感謝をしており、腹を立てる気にはならなかった。それに、実に格好のいい馬なのだ。
「……ねえ?」
「なんだ?」
彼は馬の手綱を外していた。どうしてそんなことをするのだろうと思いながらも、フィアは訊ねた。
「この馬って、馬上槍試合で乗ってたのと同じ馬?」
「いや」
彼はフィアに背を向けた格好で答えた。
「そうよね。なんだか、色が違う気がしたの」
「あれはノイエに借りた馬だ」
「この馬じゃ駄目だったの?」
フィアは身を起こし、しげしげと馬を見つめた。この馬なら、戦場だってひるむことなく走りそうなのに。
「俺の馬の特徴を知ってる人間は少なくないから、念のためにやめただけだ。足のところに入ってる斑点で分かる。少し変わってるんだ」
「ふうん。そうだったの」
「ワシュトリアには、この馬を連れていった。よく走った」
「いくつなの?」
「歳か? 馬の」
ヴィクターは怪訝な顔をして振り向いた。
「うん、そう」
「妙なことを聞くやつだな。こいつはウルリクに貰ったんだが、そのときはまだ子供だった。あれからだいぶ経って、そうだな……。たぶん、十六、七ってとこだ」
「ふうん……。そうなの……あっ」
フィアは驚いて声を上げた。
手綱を取り外された馬が、ぱっぱか、ぱっぱかと、好きな方向へ走り出したからだ。
「逃げちゃう……?」
フィアはちょっと茫然としてそれを見送った。
「ただの散歩だ。じきに戻ってくる」
彼は言って、フィアに手を差し伸べた。
フィアはその手につかまって立ち上がった。
二人一緒に、のんびり歩いて村に入っていく。
「ここが、あなたの生まれた村なのね……」
フィアは感慨にふけって呟いた。
「あなたのご両親の家はどこ?」
「もう少し先だ」
最初は物珍しそうにそれを見守っていた村人たちが、何かに気づいたように顔色を変えた。
畑を耕す道具を投げ捨てて、ばらばらと駆け寄ってくる。
「──ヴィ、ヴィクターさま!」
「なんと、お懐かしゅうございますな! まさか、あなたさまが戻っておいでになるとは!」
「ご病気っちゅう噂を聞いとりましたが、お元気そうで!」
「あ、あっしを覚えておられますか? あなたの親父どの、アルベルト殿下の御用勤めをしていたもんで……」
男たちが朴訥な口調で口々に言うのを、ヴィクターも懐かしそうに眺めた。
「覚えてる。忘れるはずがない。……懐かしいな。皆、あまり変わってないようだ」
「あれからもう何年が過ぎたか……。このバルタザール、もうとうに老いぼれでございます。しかしまあ、ご立派になられたもので。この村を出て行かれたときは、まだ十二・三の子供でいらしたのが……」
彼を囲んで涙ぐむ村人たちの言葉を聞きながら、フィアはそれとなく移動して、近くの木の幹の後ろに移動した。こういう感動の再会の場面に、昔の思い出と何も関係がない自分がいるのは妙だと思ったからだ。しばらくここに隠れていよう。
「国王として即位なされたと風の便りにお聞きして、住む世界の違ってしまわれた方だと……」
「う、うちの息子が村に帰ってきとるんですよ! 子供のころ、よう遊んでいただいて。ちょ、ちょっと呼んできますんで!」
「あ、ああ、それならうちのおっかあも! きっと腰抜かしますで! すぐ呼んできますから!」
「いや、先に家に入ろうと思ってるんだ。……少し待ってくれ。夜には順番に挨拶に行くから」
彼が苦笑して言いながら村人たちを押しとどめるのを、フィアはとても珍しいものを見るような気持ちで見ていた。
──そうか。ここが本当に、彼の生まれ育った村なのだ。
旅のあいだ、あれこれ話を聞いていたところにやっとたどり着いたのだと思うと、しみじみとする。
けれど、そこには悲しい再会もある。彼の母であった人はもうこの世におらず、父であった人は、墓すらないらしい。国王命令で城に召喚された直後、何者かに襲われて命を落とした。その遺体はうやむやのうちにどこかに持ち出され、そのせいで墓におさめることができなかったのだという。
その話はそれ以上語りたくない話だったらしく、彼は言葉少なになって、フィアもそれ以上は聞かなかった。何か理由があって、彼が叔父と対立するようになったのだとは思っていたから、おそらくはそこに原因があるのだろうとは、思いながら。
(でも、親類のイグナーツさんとスティーナさんがいるし、それにシグワスさんも……)
そこまで考えて、フィアは首を傾げた。シグワスはどこで生まれたのかわからないが、この村には来ていないようだ。もしそうなら、彼ならヴィクターになりすますこともできたはずだ。しかし、そういうことはなかったようだ。子供のころから城の地下室にいたというし、彼の出生には謎が多い。
(この人と結婚したら、シグワスさんとも親戚になるのかしら? ……そうよね?)
フィアはどこかピンと来ない感じで、木の後ろに隠れていた。
しかし、立ち話は長引いた。村人は次から次に増え、老いも若きも男も女も、挙句の果てには教会の神父も喋れない幼子も、犬までが呼び集められてしまった。その人垣がすごすぎ、彼が見えないほどになる。
フィアは彼らの話を内心では楽しく聞いていたのだが、今日も朝早くから馬の背にゆられていたので、少しばかり眠くなってしまった。
木の幹にもたれて、自分でも知らないうちにうとうとする。
村に着いたのは昼前だというのに、最終的にフィアが彼に起こされたのは、空が夕暮れの色に染まってからのことだった。
「すまん。話し込んだ」
珍しく、悪いというような顔で彼が言った。
フィアは目をこすりながら立ち上がった。
「ううん、いいの……。だって、何年かぶりに戻ってきたんだものね。話が弾むのも当然だわ」
「そのおかげで、夜の挨拶回りはせずにすむぞ。もうほとんどすんだ」
「ふうん。それじゃ、よかった。夜は早く眠れそう……」
フィアは小さくあくびをした。
──と、その体をひょいとすくい上げられる。
「……わっ!」
あっというまに抱き上げられてしまった。
「もう十分昼寝しただろう。夜は俺のために時間を使え」
「いっ、いつも使ってるじゃない!」
フィアは恥ずかしさと怒りで顔を赤くした。
「言いたくないけど、あなたのせいで、わたし……ちっとも旅の疲れが取れてないんだから! どこの宿に泊まっても当たり前みたいに“する”のはどうかと思うわ。普通、宿って休むところじゃない!? 今まで、言うのを我慢してたけど……今日という今日は言わせてもらうわ。あ、ああっ、ああいうことは! ひと月に一回くらいで十分なはずよ! そうじゃないなら、特別な日だけにするべきだわ。一年に一回とか! あなたは夜に少ししか寝なくても平気みたいだけど、わたしはほんとに──」
「大きな声でわめくな。人が見てるぞ」
彼はさすがに呆れたようにたしなめた。
フィアははっとして彼の首にしがみつき、まだあたりにいる村人たちが目を点にしているのを目撃した。
「………」
──恥ずかしい。さすがに、心から恥じ入った。
追い打ちをかけるように、歩きながら彼が言う。
「慎みのない娘だと思われたろうな。これからここに住むのに……」
「そうなったのは誰のせいなの!?」
フィアは泣き出さんばかりの顔になった。
「わたし、あなたとはなんの関係もないって言ってよ! ただの使用人か何かだって!」
「使用人を連れて城を抜け出して、こんなところで遊んでるとしたら問題だろうが?」
そうは言いながらも、ヴィクターは内心、村人たちからはそうとしか見えていないだろうと思った。
──まあ、ほとんど似たようなものだ。言い訳するほどのことでもない。
彼は早々に、この村における自分の評判を諦めることにした。十日もしないうちに、『国王に即位なされたと思ったら、さっそく執務を投げ出して、こんな人目につかないところで素性の分からん娘と戯れておられる』などと言われるに違いないのだ。
「だいたい、それよ……仕事はどうするの? あなたの仕事はいっぱいあるのに。お城に戻らないなんてわがままを言って。そのせいでこの国が大変なことになったら、どうするの!」
抱えあげられているフィアが、彼の耳元でぎゃあぎゃあとわめき続ける。もう生娘ではないというのに、相変わらずやかましい娘だと彼は内心で思った。別にその声は耳触りではないが……。
「レヴィンが必死で片づける。あいつは俺のサインも書けるしな」
「それ、偽造じゃない? 偽造サインよ! ひどい! 一国の王さまが、そんないい加減なことでいいと思ってるの? わたし……情けないわ。王都に戻らないとか王位を捨てるとか、そんなことばっかり言って。わたしのせいでそんなことになるなら、もうあなたのところにはいられないわ、ヴィクターさん!! 明日にでも出ていくから!」
「おまえ、いい加減に普通に名を呼べよ。ルーデック=エルケルは呼び捨てだったくせに、それより付き合いの長い俺が敬称ってどういうことだ?」
昨晩も注意したのに、なぜかフィアの名の呼び方はなおらない。微妙に気に入らないところだった。
「それ、今言うこと? わわ、わたしはあなたに注意をしてるのよ! 国民のひとりとして!」
「たいした税金も払えないのに何が国民だ。おまえのために俺が使った時間を計算すれば……ほら、着いたぞ。下りろ使用人」
「勝手に抱き上げておいてなんなの! もう……あなたって最低だわ! 前から分かってたけど!」
フィアは真っ赤な顔でまくしたてた。
「だいたい、『使用人』って言ったのは、村の人の手前よ。二人きりなのに言う必要ないじゃない! わたしはあなたの使用人じゃないのよ。もしそうしたいなら給金を払ってよ。それなら、ひと月に一回じゃなくても我慢するわ。お給金をくれるなら!」
「馬鹿か、おまえは……。そういうのを売春婦というんだ」
いったいどこからそんな発想が出てくるのだろうと、ほとんど感心しつつも、彼は厳しいしかめつらを作って指摘してやった。こういう世間知らずを放置していると、またろくでもない災難に巻き込まれるに違いないからだ。
初めて気づいたというように、フィアが言葉に詰まる。
「ばっ……!?」
「どうしてもなりたいなら止めないが、おまえみたいなのは何日経っても買われずに売れ残るだけだぞ」
「……なっ……売れ……っ!」
泡を食っているフィアをほうって、彼は久しぶりに足を踏み入れた家の中を見回していた。
──がらんとしている。
家具はそのままだが、テーブルはわきによけられ、椅子も隅に片づけられているせいだ。
いい思い出もたくさんあるが、それを遮るように、暗い影を帯びた思い出も次から次へと思い出されてくる。
自分をめぐってのことらしい、父と母の四六時中のいさかい。城に行ったきり戻ってこず、葬儀さえもできなかった父。それでも『王都へは行かせない』と頑なに言い張った母。王都からの迎えが来た日。祖父の騎士たちが次から次へと踏み込んで来、この家の中には母や使用人たちの悲鳴があふれた。
遠ざかる家。城で聞かされた、母の孤独な死。
幸せだったときがあるだけに、すべてが崩れたあとには空しい気持ちが残った。
それで、ここへ戻って来る気にはなれなかったのだ。長いあいだ。
思えば、この家に起こった争いのすべては、父と自分が王族だったことに起因した。
偉大なる国王イヴァーンの血。
祖父の業績を間近に見たわけでもないし、今となってはそれを過大に評価しているわけでもない彼にとっては、ただ呪わしいだけの血だ。その呪わしい血が自分にも流れているのだ。権力のために人を蹴落とし、身内に毒を盛り、ためらいもなく殺す。そういう血が、この体の中に確かに流れている……。
血で血を洗う争いを繰り返してきた、歴代の王族たち。その側近たち……。
この穢れた血には、もはや子孫を残す価値すらないのかもしれない。
それでも、人並みに自分も結婚したいと望むのだから、人の欲というものはどうしようもないものだ。
「……ど、どうしたの? 急に、黙り込んで」
フィアがいつのまにか目の前に来ていて、心配そうに顔を見上げてくる。
「悲しいことでも思い出したの?」
「いや……」
彼は首を振った。それから、目の前のフィアを抱いて引き寄せた。
「あまりにも久しぶりに戻ってきて、勝手が分からなかっただけだ」
額に軽く口づける。
「片づけよう。夜には寝られるようにしないとな」
「今日はひとりで寝るわ。あ、あなたがなんと言ったって、そうするから!」
「勝手にしろ。俺だって、毎日おまえの裸ばかり見るのに飽きてきたところだ。そうするとも言ってないのに」
彼は冷ややかな口調で言ってやった。どうも、毎晩のように甘やかしているせいで、つけあがってきたらしい。そういう兆候を感じた。むろんそれは、言うまでもなく悪い兆候だ。『この人は自分に夢中なのだ』などと思われては、これからの生活に支障が出るではないか。先は長いというのに……。
「……何よ! あなたって最低だわ! 勝手なことばっかり言って!」
フィアは泣きそうな顔で叫んで、ダッとそこから走り去ってしまった。
さほど広くはない廊下の向こうで、階段を駆け上がり、二階へ上がっていく音が聞こえる。足音からして、かなり動揺しているか、怒っているかのどちらかだと分かった。──その両方という可能性もある。
(……言いすぎたな)
彼は珍しく素直に反省したが、今すぐに追いかけて、謝るという気はなかった。そんなことをすれば足元を見られる。結局こういうことは、好きになったほうが分が悪いのだと知りつつ、少しでも自分を有利にするために、ここは知らん顔をすることだと自分に言い聞かせた。
そのうえで、おまえのことなんかそれほど好きじゃないという顔で背を向けて寝れば、向こうから不安になって寄ってくるだろう。それを待つのだ。──と、彼は今まで必要だと思ったこともなければ、一度も立てたこともない“落とす作戦”を練りつつ、埃だらけの部屋の片づけを始めた。
しかし、途中で気づいた。
(落とすも何も……俺が先に落ちてるじゃないか)
そのことに気づいて、彼は顔をしかめた。──これでは無意味だ。
戦場ではもっとましな作戦を立てられるのに、自分の頭はこういうことに意外と向かなかったらしい。
そもそも、そんなにまでして心を奪いたいと思った女もいなかった。落としたいと思ったこともなければ、戻って来てほしいと思ったこともない。
──やはり、さっきは言いすぎたと謝りに行ったほうがいいかもしれない、と、彼はろくに掃除に集中できないまま考えた。別に今日の夜がどうとかこうとかいうのではないが、自分の生まれた家に戻って来た最初の夜が喧嘩というのは、さすがに味気ないではないか……。
「……おい、フィア!」
彼はついに歩き出した。
「何よ! ……きらい! 近づいてこないで!」
二階から、フィアが身を震わせるように怒鳴り返してくる声が聞こえる。
その声の調子は、怒っているのが半分、悲しんでいるのが半分というところだ。
彼は思わずのようににやりと笑った。ああ言われてショックを受けるくらいなら、最初から文句を言わなければいいのだ。
「掃除の前に、何か食いに行くぞ。近くにうまい飯を出す宿があったはずだ。今も変わってないなら」
「………」
フィアは姿を見せず、黙っている。たぶん、おいしいご飯なんかでつられないと、自分に言い聞かせているところだ。考えることはもう、手に取るように分かる。
「おまえの意見を尊重してやるから、機嫌を直せ」
「………」
「両親の思い出の残る家で、最初の夜が喧嘩か……。残念だな。ここにはいい思い出ばかりあったのに」
「……ちょ……ちょうど、お腹も減ってたし、別に……一緒に“行ってあげても”いいけど!」
フィアはぐじぐじと目をこすりながら階段を下りてきた。彼はそれを見上げ、腰に片手を当てた。
「……泣いてるのか?」
「なっ……泣いてない! あくびしただけ!」
フィアは目を剥いて怒ってきた。
ヴィクターは肩をすくめ、「あばらの浮き出た貧相な体にさっそく飽きられたショックで、泣いてるのかと思った」と言った。
するとフィアは、憤りのあまり真っ赤になり、「あ、ああ、あなたに言っておきますけどね! ここを出て行ったって、わたしには行くところはいっぱいあるのよ! 聖アルメリア! 聖ドロテア! 聖イローナ! スティーナさんだって泊めてくれるだろうし、クリステラさんだって、一日や二日は泊めてくれるに違いないわ! おいしいご飯つきで! そ……それが全部だめでも、最後の最後でノイエさんのところに行ったっていいんだから! あなたは知らないだろうけど、あの人からは、『意地悪な国王陛下なんてやめて自分と結婚しませんか、自分のほうが幸せにします』……とか、そんなふうなこと、言われたのよ。そうしたほうが良かったって今は心から思ってるところ! だって、あなたよりずうっと紳士的だもの! あなたと違って、キス以上の野蛮なことなんてしなかったし!」と、わめき散らした。
彼は何も言わなかった。無言で腕を組み、険しい顔で穴が開くほどじいっと見つめてやっただけだ。
フィアは自分が墓穴を掘ったことに気づいた。それこそ、穴があったら入りたいというような顔で、
「今の、全部うそだから……」
と蚊の鳴くような声で言った。
彼はフィアの腕を掴むと、それを引きずって大股で歩き出した。
「嘘かどうかは、これから聞いてやる。飯を食いながら」
「……はい」
ずるずると引きずられながら、フィアは恐怖のあまり身を縮める。
──どうやら、この家で作る新しい思い出は、楽しいものになりそうだ!
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 1 -結婚式の招待状-

結婚式の招待状を四苦八苦して六枚書き上げたところで、フィアはくたくたになって吐息をついた。一枚を書くのに鐘ひとつぶんくらい時間がかかってしまったから、早朝からやり始めたというのに、気づけばとうに夜になってしまっている。
「大変だわ……。やっぱり、書いてもらえばよかったかも」
せっかくヴィクターに用意してもらった羊皮紙だが、二十枚のうち十四枚も失敗して書き直してしまった。彼が戻ってきて、この惨状を見たらなんというだろう? 失敗してぐちゃぐちゃになった羊皮紙の山を見たら。
「高いのかな、この紙……。そうだよね。羊の皮なんだもの……」
フィアはテーブルのうえに上半身を伏せて呟いた。
皮をはがれたうえに、失敗されてしまうなんて、羊にしてみたらとんでもなく腹立たしいだろうと思うと、自分の字の下手さが悲しくなってきた。ちょっと斜めになったからって、捨てなきゃよかった。
でも、しょうがない。結婚式の招待状だと思うと手が震えてしまい、どうにもうまくいかなかったのだ。
「羊さん、ごめんなさい……。許して」
フィアはため息をつき、目を閉じた。
それからどれくらいの時間が経ったのか、気づけば寝てしまっていた。
夜になり、ヴィクターが帰宅してきた。
「ただ……」
扉を開けた彼はそれきり立ちすくんでしまった。
玄関とそのままつながっている食堂のテーブルに、フィアが顔を伏せて居眠りをしている。その足元には羊皮紙が不規則に並べられて置かれていた。インクを乾かすつもりだったのだろうか。まるで絨毯のようになっている。
彼は一歩進んで身を屈め、そのうちの一枚を拾い上げた。
「………?」
何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。
彼は向かいの椅子を引いてテーブルについた。
いつもやっているように、羊皮紙を前に置き、灯りとインク壺を手元に引き寄せる。もちろんこのテーブルは執務机よりも狭いものだが、寝ているフィアの髪をよけても、なんとか紙を一枚置くくらいのスペースはある。それに、最近は城の執務室ではなく、牛小屋で仕事をしている。その机は微妙に傾いているから、それよりはこっちのほうがましだ。この机は昔、父が自分で作ったものだからしっかりしている。
彼はフィアが書き上げた招待状をしげしげと眺めた。
(これは聖アルメリア、こっちが聖ドロテア……いや、逆か? これはどう見てもD、これがR……)
頬杖をついて熟考しつつ、なんとか送り先を判読する。字から読もうとすると読めないが、フィアの知り合いはそれほど多いわけではないから、そこから逆算すればなんとか分かりそうだ。難しい問題に挑戦するような顔で彼は招待状と格闘した。自慢ではないが、ウルヴァキアの古代文字は全部読めるのだ。たぶん城の中でそれができるのは自分だけであるが、その貴重な学習経験はこんなときにも役立ってくれたようだ。
判読が済むと、羽ペンの先にインクをつけ、フィアの書いた、古代文字のごとき字のうえに地味な修正を加えていった。これで、自分以外の人間にもなんとか読めそうな文字になったはずだ。「くこん・すぬつ」としか読めないところも、控えめに書き足して「結婚します」に変えておく。最初は怪しい人名かと思ったが、どの招待状にも書いてあるので、そうではないと分かった。これが言いたかったらしい。
(聖アルメリア、聖ドロテア、これはクリステラ、こっちはノイエとデュリ、これがスティーナ、これはエティエンヌ……)
送り先も何も書いていない招待状の隅に、王都の何区、何々邸と、おおよその住所を書き足しておく。これで無事に届くだろう。
他は書き損じのようだ。
何枚か足元にあるのを拾い上げ、眺める。
古代文字を見慣れてきた目には、それはカレフ、と読めた。

──カレフ兄さん。お元気ですか? 今、どこにいますか? わたしは、結婚することになりました。ケルツェ村というところです。よかったら来てください。おばさんの話も、たくさんあります。ずっとあなたを待っています。

ヴィクターはそれをしげしげと眺めた。
フィアの兄の居所は、実のところ彼は知っていた。レヴィンが、とある修道院の名簿を見ながら、『これはシスター・フィアの親族では? 国境にいた例の人物と名前が同じですが』と雑談がてらに言ってきたからだ。
王都からずっと西へ行ったところにある、閉鎖的なことで有名な修道院だ。
彼は、フィアの兄である人物が『妹をよろしく』と言ったことを思い出した。あのときはよろしくされる気はなかったというのに、気づけばこんなことになっているのだから、人生というのはつくづく分からないものだ。
彼はその招待状に、その修道院の名前と、“院長室宛”の注意を書きくわえておいた。
それから、自分の意志でもう一筆をつけくわえる。

──該当の修道士を期日までに当村に送るよう、国王の名において命じる。ヴィクター=ウル=ファルス=シヴェリウス。

これで来るだろう。
彼はフィアの背中に、彼女が椅子の背に掛けたままにしている肩掛けをかけてやり、その場を立ち去った。寝る前に風呂に入るためだ。そのさい、アラリス宛の招待状を目ざとく見つけ、懐にしまっておくのも彼は忘れなかった。



「……フィアから手紙!」
驚いたようにゲルトルードは言い、その手紙を持ってアデルハイドのところへ走った。
今、ふもとの村の配達人から届けられたばかりの手紙だ。
普段ならそれを受け取るのは院長のアガタだが、今は副院長のベセルが危篤になり、寝たきりになっているため、そちらの世話でかかりきりだ。アガタにとっては、ベセルは母親のような存在なのだった。歳も、アガタが六十、ベセルは八十近いのだ。
「シスター・アデルハイド! シスター・フィアから手紙よ!」
「ええ? なんですって? シスター・フィアが……」
アデルハイドは食堂の床を拭いているところだった。驚いたように立ち上がり、やってくる。
「──フィアから!? ちょっと、あたしに先に見せなさい!」
外から鬼のような顔をして食堂に駆け込んできたのは、庭の掃き掃除をしていたロゼッタだ。
彼女はゲルトルードの手から手紙を取り上げると、それを開いた。
「………」
顔色が変わる。
「あら、結婚ですって!」
「へえ。あのときの男かしら、やっぱり」
「そうでしょうねえ。ずいぶん夢中だったみたいだし……」
ロゼッタが黙りこくっている横で、アデルハイドとゲルトルードがひそひそと話し合っている。
「くっそ……あいつめ!」
ロゼッタは歯ぎしりし、羊皮紙を床に叩きつけた。
そのあと、急いでそれを拾い上げた。フィアからの手紙に罪はないのを思い出したのだ。
「まともな職にもついてないくせに、あの子と結婚する気なんだわ。……行って、邪魔してやる!」
「おやめなさいよ、シスター・ロゼッタ。そんな、小姑みたいなこと……」
「そうよ。相手がどうだろうと、好きなんだから、いいじゃないの」
「あたしはあの子の姉代わりよ! あんたたちだってそうでしょうが!」
ロゼッタは仁王立ちになって怒鳴った。
「そうだけど、でも、わたしはシスター・フィアの幸せを願ってるわ。邪魔するなんて……」
アデルハイドが切なげにため息をついて言う。
「素敵じゃないの、結婚。ここを出て行って良かったわよねえ。こんな幸せを掴むなんてね」
実のところ、彼女は結婚に失敗していた。それでここへ来たのだ。
フィアが結婚するとは思っていなかったが、言われてみれば、ここにいる修道女たちの中では、フィアが一番普通に結婚しそうな娘だったようにも思える。
「ケルツェ村、か……。どこだったかしら。ちょっと地図を取ってくる。院長室の壁にはってあるやつ」
ゲルトルードもすたすたと食堂を出て行ってしまった。
アデルハイドがそれを見送って、ため息をつく。
「でも、路銀がないわ。ニワトリを売りに行ったほうがいいかしらね?」
「それなら、院長のヘソクリがあるけど……」
ロゼッタはしかめっつらで言った。アデルハイドは驚いた顔になった。
「あら、よく知ってるのね、シスター・ロゼッタ!」
「掃除してるときに見つけたのよ。でも、銀貨が三十枚だけだけど」
「すごいじゃない! きっと村まで行けるわ。わたしたち三人だけだったら!」
「ふん! どうせ院長は行かないわよ。シスター・ベセルも、いつ死んじゃうか分からない状態だから」
ロゼッタは男のように腕を組んで言った。
アデルハイドは胸の前で、乙女のように両手を組み合わせた。目を輝かせる。
「じゃあ、さっそく計画しましょうよ! 旅行の計画!」
「まあ、いいわ! あの黒髪男が、いったいどんな顔であの子と結婚するのか見てやるわよ。『薪割りに来い』って言ったのに、全然来もしない、恩知らずなやつだったけど!」
ロゼッタは苦々しげな顔で言い捨て、食堂を出て行った。
アデルハイドはその背中を見て、困ったように苦笑した。
「シスター・ロゼッタ。ほんとは嬉しいくせに……素直じゃないわねえ……」


「まあ……。シスター・フィアが、やっぱり結婚ですって!」
カレンが、その手紙を手にして驚いたように言った。
「え、本当?」
エミリアがびっくりしたように横からのぞきこむ。
ちょうど三人で、副院長室でお茶会をしていたところだった。院長室から使いが来て、この手紙を渡されたのである。
「あ、本当だ。結婚するって書いてあるわ! 信じられない!」
「それにしても汚い字ね……。もうすこし綺麗に書けないの?」
ジュリアも、手紙をのぞきこんで呆れたように言った。
「相手は誰?」
エミリアが眉をひそめ、顎に手をやって考え込む。
フィアが国王と結婚するという噂は、フィアがいなくなったあと、煙のように立ち消えてしまった。
その後、国王はクリステラとの結婚を発表した。聖ドロテアの修道女たちは、なんともいえない顔でそれを信じた。『かわいそうに、シスター・フィア。あんなに急いで、まるで夜逃げみたいに還俗したのは、国王陛下との結婚のためじゃなかったんだわ。それが破談になったからだったのね……』。多くの修道女たちが、沈痛な顔でそう言いあったものだった。
フィアのような純朴な、若い修道女をかどわかすなんて、国王陛下は本当にひどい方だ。
という評価が、すでに聖ドロテアでは定まっていた。ここには貴族の子女が多いが、ほとんどが国王と面識がない。もちろん、親しく話したこともない。だから、悪口を言うのにそれほど気が引けることはなかった。
「シスター・レオノーラにも見せたほうがいいわね。そのあと、皆さんに回して読んでもらわなければ!」
カレンはひとり頷き、長い修道服の裾をつまんで、いそいそと部屋を出ていく。
ほどなく、副院長室にトニアが来た。彼女は何も知らずにここへ来たようだった。
「はぁ……。さっき昼寝をしてるとき、シスター・デュリの夢を見ちゃった……」
トニアは憂いがちにため息をついた。
「どんな夢なの?」
「あの人が、格好いい王子さまになってるの。それでわたしに愛を告白してくれる夢よ!」
トニアは、お茶会用のテーブルについて、自分の分の菓子はないかとばかりに目で催促した。
「厨房に行かないと、もうないわよ。それより、いったいどういう夢なのよ、それ。シスター・デュリは女じゃない!」
ジュリアが呆れたように言った。
トニアはそれに反論する。
「でも、王子さまみたいだったわ! 彼女、背が高かったし……」
「どうでもいいわよ。それより、シスター・フィアが結婚するんですって」
「……彼女、国王陛下に捨てられたんでしょ? 陛下はシスター・クリステラと結婚するって、みんな噂してるわ。今はご病気で、それどころじゃないみたいだけど」
トニアは唇をとがらせて、つまらなさそうに言った。
自分のところには王子さまからの迎えがないのに、フィアだけ幸せになるというのは納得がいなかった。
「やっぱり遊びだったのよ。絶対そうだと思ってた。悪いけど、シスター・フィアが王妃になれるはずないもの! あたし、ずっとおかしいと思ってた!」
「相手のことは書いてないから、たぶん、わたしたちの知らない人なのよ。きっと」
エミリアが手紙を隅々まで眺めて、推測した。フィアの汚い字と、少ない情報量から得られることはほとんどなかったが、それでも、自分には何かの第六勘が備わっていると信じる彼女は、書いてある以上のことを読み取れるような気がしていた。
「でも、この羊皮紙、けっこう上等なものじゃない?」
ジュリアが怪訝そうな顔で指摘する。「貴族の邸にあってもおかしくないようなものだわ」
エミリアは人差し指を顎に当てて、目を上にやった。
「じゃあ、相手はちょっとした金持ちなのかもしれないわ。商売で成功してる人とか……。そうね、たとえば……異国の絨毯売りとか。シスター・フィアはその手伝いをしていて、いつのまにか恋仲になったのよ……。あるいは、胡椒商人?」
「シスター・エミリア、雲をつかむような話はやめてくれない? 分からないんだったら黙ってればいいのよ」
ジュリアが苛々したように机を叩いて言う。
「……行ってみれば分かるわよ!」
エミリアも手紙を投げ出してしまった。
「ケルツェ村って、王都からそんなに遠くないところにある村だって、さっきシスター・カレンも言ってらしたんだから。みんなで行って、どんな人と結婚するのか見てみればいいのよ。そうすれば何もかも分かるわ!」
「あたし、行きたくないなぁ……。人が幸せになるところを、なんでわざわざ見に行かなくちゃいけないの? シスター・フィアだって、ちょっと一緒にいただけで、そんなに仲がいいわけじゃなかったのに」
トニアは沈鬱な顔で言った。
「じゃあ、留守番してなさいよ。シスター・トニア」
「わたしたちのぶんまで掃除しておいてね」
ジュリアとエミリアに言われ、トニアはふくれっつらになった。
「そんなの嫌よ! 掃除させられるくらいだったら行くってば!」
「シスター・カタリナはどうするのかしら。……あ、もうシスターじゃないけど……」
エミリアが慌てて言い直す。
カタリナはあれ以来、この修道院に戻っては来なかった。
ゴドセヴィーナ伯爵家は、さまざまな罪を問われて、今や王都を揺るがす醜聞のもととなっている。国王が公爵令嬢と結婚するという話や、そのあとの急な病の噂がかすむほどの騒ぎだ。あまりにも大きな騒ぎになってしまったので、その一員であるカタリナも、ここに顔を出しづらいのだろうと思われた。王都にある伯爵家は差し押さえられてしまったのに、行方は分からない。
「そうね。シスター・カタリナ、どうしていらっしゃるのかしらね……」
ジュリアも、神妙な顔で言った。
カタリナにはずっと従ってきたが、本当は爪はじきにされるのが怖くて、言うことを聞いていただけだ。本当はずっといやだった。だから、彼女がいなくなったとき、内心ではほっとしていたのだ。エミリアは本気で寂しがっていたが……。
「手紙を出してみれば?」
「……どこに?」
「分からないけど」
エミリアは力なく肩をすくめた。カタリナに会いたい気持ちはあったが、今のままでも別にいい気はしていた。カレンを中心に若い修道女たちは団結しているし、こうやってみんなでお茶会をして、噂話をしながら憂さを晴らすこともできる。何も困ってはいない。
「ねえ、シスター・カレンのところに行かない? 他の人たちが、この知らせをきいてどんな顔をするのか見てみましょうよ!」
エミリアが提案すると、ジュリアとトニアも頷いた。
「そうね。そうしましょ。こんなところにいたって、面白い情報は何も入ってこないもの」
「じゃ、じゃあ、あたしも行く!──」


「とうとう結婚だって。……残念だね、兄さん。好きだったのに」
デュリが手紙を広げて言った。
ノイエは自分の領地の、公爵家本邸にいた。そして自分の執務室で書類を片づけているところだった。
同じ邸の中にいる父が病状が悪化しているため、最近では、大事な用事がこちらに回されることが増えている。仕事は多い。
国王ヴィクターに対して、「領地に戻らせていただく!」と宣言してから、彼は速攻でそうした。本当に頭に来ていたのだ。自分の代わりにクリステラと結婚しろとは、いったい何を言っているのだ、あの人は? まったく──理解しかねる!
「縁が無かったんだ」
ノイエは怒りを押し殺して書類を片づけながら、そう言った。
「わたしと陛下は、ほとんど同じ時期にフィアさまと知り合ったんだ。それなのにこうなった。縁がなかったと言うしかない。そうでなければ、今ごろその招待状を出しているのはわたしだった」
「本気で悔しそうだね……」
デュリは兄の姿を眺めて、ちょっと苦笑した。
何人かの貴族令嬢と付き合ってはきたが、それほど本気になったことがなかった兄を見て、この人は、あまり女に執着がない、要するに誰でもいいのだと思い込んでいた。ところが、フィアは違っていた。
「ねえ、兄さん。昨日、父上に妙な話を聞いたんだよ」
「妙な話?」
「シスター・フィアの故郷の村だよ。あの、リヴォーとかいう」
「知っているよ。それが?」
「あそこはうちの領地だってことも知ってるだろう?」
「ああ。そうだったみたいだな」
「兄さんが養女にしようとしてた娘はどうなったって父上に訊かれて、あれは立ち消えになったって言ったんだ。そうしたら『あんなに珍しく必死になっていたのが、どういう心境の変化だ?』と仰るからさ。ぼくも暇だったし、つい、余計なことを話しちゃって」
「……何を?」
「シスター・フィアが、リヴォーって村に住んでる、ごくごく平凡な娘だって話とか。兄さんが、どうしてその娘を養女にしようとしたのかとか。そのへんのことを、まあ……その、あまり支障のない範囲で父上にお話ししたんだよ。そうしたら、父上が仰るんだ。『昔、自分もとても好きだった女性がいて、彼女はその村に住んでいたのを思い出した』って」
「……へえ」
ノイエは怪訝な顔をした。初耳の話だ。
書類を書くのをやめて、羽ペンをインク壺に戻してしまう。
「父上にも、そんなロマンスがおありになったのか……。意外だな」
「いや、僕はさ、もしかするとその女性ってのがシスター・フィアの母親だったんじゃないかと思って」
「そんな偶然はないだろう。考えすぎだ」
ノイエは笑った。しかしデュリは真剣な顔だった。
「分からないよ。父上と兄さんは似てるからね。もしかして、同じ女性……親子だけど。それを、好きになっちゃったのかもしれない」
「だとしたら、奇跡的な偶然の話だな。……まあ、ないと思うけど」
ノイエはあくまでも「ない」と言い張った。父と同じような女性を好きになってしまうなんて、ピンと来ない話だ。それに、そんな偶然があるわけがない。
「父上は、その娘に会ってみたいから、今度機会があったら連れてきてくれって言ってた。……父上はもうだいぶ弱ってきておられるからさ、僕もつい『分かりました』って言っちゃった」
「いい加減なことを約束するんじゃない」
ノイエは苦言を呈した。
今さらフィアをここへ連れて来られるわけがない。それはもう終わった話ではないか。
「それに、昔好きだった女性の娘なんて連れてきたら、あの母上がなんと仰るか……」
「怒らせとけばいいんだよ。父上の見舞いもせずに、使用人を引き連れてリンデンスブルクに旅行に行っちゃったような人なんてさ! だいいち、侯爵令嬢の母上とは、家の都合の結婚だったんだ。父上には他に好きな人がいたとしても、全然不思議じゃないよ」
「家の都合の結婚……か」
ノイエは顔を曇らせた。「クリステラ嬢も、さぞ迷惑しているだろうな……」
「でも、昔彼女と婚約してたんだろう?」
「昔のことだよ。わたしは貴族であることが嫌になって、この家を飛び出した。エトヴィシュ公爵家からは、婚約破棄の報せが来た。それきりだよ」
そう言いながらも、ノイエは、子供のころはクリステラとよく遊んだことを思い出した。
机に頬杖をつき、遠い目をする。
昔は互いに公爵家どうし、親戚づきあいのような感じだった。
クリステラは今は社交的で明るいが、昔は引っ込み思案で、内気な子供だった。いつも恥ずかしそうにはにかんで、柱の後ろに隠れていたのを思い出す。その彼女を中庭に呼び、エトヴィシュ公爵家の美しい庭で、一緒に花輪を作ったのはいい思い出だ。彼女は本当に楽しそうに笑っていて……。
しかし、何もかも昔のことだ。
自分から家を飛び出し、婚約を破棄したも同然の自分を、クリステラはあまり良くは思わなかったろう。しかもそのあと、彼女の評判は傾く一方だった。前国王から求婚をされ、現国王からは結婚の噂を立てられ……。
そう思うと、自分に原因があるような気がしなくもないが……。
そうはいっても、クリステラは別に、どうしても自分と結婚したかったわけでもないだろうし。
自分ごときのせいで彼女が不幸になったと考えるのは、あの美しい人には失礼にあたるだろう。
「彼女は辛抱強い人だよ。本当に感心する。わたしなら、こんな馬鹿げた話を持ち込まれたら、何を考えているのかと国王陛下をなじるだろう。たとえ女だったとしても、張り手の三発はくらわせずにおかない」
「まあ、とりあえず、一緒に茶でも飲んできたら? この話を破棄するにしても、そのことを二人で話し合う必要はあるんだからさ。国王陛下が勝手に決めたことだって言っても、僕ら貴族はそれを無視するわけにいかないんだから」
デュリのとりなしに、ノイエはため息をつきながら頷いた。
「そうだな……。近いうちに王都に戻って、エトヴィシュ公爵邸に顔を出すとしよう。気が重いが」
「ぼくは留守番をしてるよ、兄さん。父上の風邪が心配だからね」
「ああ、留守を頼めれば心強い」
ノイエはしげしげとデュリを見た。
「おまえはこれからどうするんだ? その……人生の先のことを含めて?」
「んー……。兄さんが公爵位を継いだら、ぼくは兄さんの伯爵位を貰って、気楽に暮らすよ。そういうのが性に合ってると思う」
「そうか。……それがいいかもしれないな。貴族なんて、位が上がるほど不愉快なことばかりがある。それだけ、あの性格がねじまがった国王陛下に近づくってことだからね」
「ぼくは別に、あの人は嫌いじゃないけど……。でも、兄さんの意見がそうなるのも当然だと思うよ」
デュリは大人びた答え方をして笑う。ノイエも、つい、というように苦笑し、それから笑い出した。
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 2 -聖ドロテアの修道女たち-

ケルツェ村で、二人の結婚式が行われたのは、予定より遅れて春になってからのことだった。
──この日、村には、遠方から続々と客が集まっていた。
聖アルメリア女子修道院からは、院長のアガタと、ロゼッタとアデルハイドの二名が、聖ドロテア女子修道院からは若い修道女のほとんどが、クラウザール家からはイグナーツの妻セラエと、妹のスティーナ、エトヴィシュ公爵家からはクリステラと彼女の侍女たちが、ラディウス公爵家からはノイエが、近衛騎士団からは団長のメルヴィンと、厳しい抽選を勝ち抜いて出席の権利を手に入れた十人の騎士たちがそれぞれ出席をしていた。


フィアの衣装の着付けをしているのは、スティーナとセラエだった。
スティーナは城の衣装庫から二十着もドレスを持ち込んできていて、数台の馬車から次々に荷物を下ろさせたので、自前で「ちょっとこぎれいな服」を着ようと思っていたフィアは度肝を抜かれた。──何も、そんなに大げさにしなくていいのに!
「国王陛下と王妃さまのご結婚なのですから、これくらいはしないと!」
と目を輝かせて言うスティーナに、フィアは心のなかで、
(ヴィクターさんは、国王をやめるつもりなのに……。秋も冬もお城に帰ってないし、牛飼いの仕事も順調だって言ってたのに……。スティーナさんは何も知らないんだわ)
と悩んでいた。
「それにしても、こんな小さな教会でねえ……。国王陛下も変わっていらっしゃるわ。わたしの想像以上に」
長い黒髪をすっきりとポニーテールにしたセラエが、ひどく不思議そうに言う。
「まあでも、わたしとイグナーツの結婚式だって、ほとんど誰も呼ばずにやったんだしねえ……」
彼女はイグナーツと結婚し、今は正式にクラウザール家の人間になっている。結婚式は王都の片隅にある古くて歴史のある教会で、ひっそりと身内だけですませてしまっていた。それを聞かされたフィアは残念で仕方がなかった。──出たかったのに!
「呼んでくれたらよかったのに、セラエさん!」
フィアは、心から残念に思ってセラエに言った。今さら言ってもしょうがないが、本当に残念だったのだ。
「ヴィクターさんの従兄のイグナーツさんと結婚したってことは、わたしの従姉になるんでしょう? それなのに、家族だけで結婚式をしちゃうなんて……。わたしだって家族なのに!」
「そういうけど、あなたを呼ぶと、国王陛下も呼ばなきゃいけなくなるから、すごく面倒だったの」
セラエは相変わらず飄々として言う。
「別に、騎士団を全部連れていくわけじゃないのに。わたしとあの人と、二人だけで行ったのに」
フィアはまだ未練がましく言った。セラエにも、ヴィクターはじきに国王ではなくなるのだから、そんなことは気にしなくていいのだと言ってやりたかったが……。そのことはヴィクターに口止めされているから、うかつに言うわけにもいかない。
「ま、まあ、でも……ホラ、セラエさんは、そのう……元が異国人……でいらっしゃるし……」
スティーナが、フィアの花嫁衣裳の裾を直しながらしどろもどろに言う。
「なんというか……その、あまり大げさでないほうが、慎み深くていいんじゃないかという話に……」
「わたしが外国人で異端者で娼婦だから、あんまり人に知られたくないって思ってるのよ。この人は。それで、そそくさとやる案に賛成したの」
セラエは、義理の妹に対して率直すぎるほど率直に言った。
スティーナは顔を赤くした。
「まあ! ……ちょっと、セラエさん! 誰もそんなことを言ってないじゃありませんか! わたしはただ、クラウザール家は、前の前の国王陛下に破門された家ですから、ひっそりとやったほうがいいと申し上げただけよ」
「言わなくても、心の中では気にしてるんでしょ。わたしだって分かってるわよ、そんなこと」
「今さら自分で言わなくても宜しいじゃありませんの! そんな……人さまに恥になること!」
「恥で悪かったわね! 今は真面目にやってるじゃないの! イグナーツとだってうまくやってるし」
「別に文句なんて言ってませんわ。毎日毎日、暑苦しいほど仲が宜しくて、けっこうだと思ってます!」
わあわあ言いながら、フィアの髪をといたり、編んだり、それに花を挿したりしている。口はやかましく動いているが、それと同じくらいに彼女たちの手も素早く動いていて、フィアは鏡の中の自分の髪型がどんどん変わっていくのに目をみはるばかりだった。
「……ちょ、ちょっと豪華すぎない? この髪型?」
フィアは、ずいぶんと長く伸びた自分の髪が、まるでお姫様のように三つ編みのくるくるになっていくのを見て、さすがに少しひるんでいた。ただの村人の結婚式というには、これはちょっと……。
「古風なお姫さまふうなのよ、フィア。とってもかわいいし、何も変じゃないわよ」
セラエが横から鏡をのぞきこんでうけおった。鏡の中、彼女はとても幸せそうな顔で笑っている。
こんな笑い方が出来る人だとは知らなかった。きれいな人だけど、いつもどこかに影があったのに。
「セラエさんと親戚になったなんて、なんだか……信じられない気分」
フィアはため息をついた。
セラエはフィアの頬に横から素早くキスをした。
「あなたのおかげで、この国に来られたようなものよ。感謝してるのはわたしのほうだわ」
「ちょっと……セラエさん! 花嫁に勝手にキスをしないでくださる!?」
スティーナがそれを見咎めて目を剥いた。いったい何をしているのだという顔だ。
「あら、ごめんなさい。ただの、感謝のキスだけど」
セラエはすました顔だ。フィアも面食らってはいたが、文句は言わなかった。セラエはとてもいいにおいがするし、その唇はひんやりとして冷たくて、なんだか、よく分からないが……微妙にいい気分がした。思わず、その頬を指で押さえてしまう。
「女どうしでキスなんかしないで! もう……なんてふしだらなのかしら!」
「あなたもしたら? スティーナ。あなたの嫌いな国王陛下にとられちゃう前に」
「やめてくださいな! まったく、あなたと話しているとわたしまでふしだらになりそう!」
スティーナは真っ赤な顔でわめいたあと、怒ったような足取りでどこかへ行ってしまった。
「……あら、お客さまよ」
セラエが窓の向こうに目をとめる。
春の日差しの中、連れだって歩いてくるのは修道女姿の人々だった。
「聖ドロテアのみんなだわ」
フィアは立ち上がりかけたが、セラエに肩を押しとどめられた。
「まだ髪が出来てないの。動かないで」
「は、はい……」
「シスター・フィア!」
待ちきれないというように走りだし、最初に飛び込んできたのはエミリアだった。
「ねえ、ちょっと! いったい誰と結婚するの? あの招待状には相手の名前も何も書いてなくて、道中、ずっとその話をしてたのよ。あなたが誰と結婚するのかって話!」
エミリアはフィアの肩を揺すらんばかりに近づいて言った。
「シスター・フィア、久しぶりね!」
続いて入ってきたのはトニアだった。
「シスター・トニア! 本当に久しぶりだわ! 元気だった?」
「元気に決まってるじゃないの。でもあいにく、国王陛下はご危篤なんですって? ずっとお城で寝ているって。まあでも、陛下はシスター・クリステラとご結婚なさるんだから、もうあなたには関係のない話よね!」
トニアは小柄な体の腰に手を当てて、強がりのようにプイと横を向いて言った。
「え、う、うん……そ、そう……」
フィアはしどろもどろになった。
動くと叱られるし、着なれない衣装を着ているし、いつもと勝手が違っている。客と喋るのも大変だ。
「だから、言いなさいよ。誰と結婚するのか!」
エミリアがフィアに詰め寄る。結婚の祝いを言いに来たというより、問い詰めるという雰囲気だ。
その後ろから、慌てたように修道服の裾を上げてカレンがやってきた。問題のある修道女たちに走って先を越されてしまい、急いでやってきたというふうである。
「まあ、シスター・エミリア、シスター・ジュリア、シスター・トニア! せっかくのおめでたい日に、何を荒々しく叫んでいるの? 外まで丸聞こえよ! 恥ずかしい」
「シスター・カレン!」
フィアは思わず立ち上がってしまい、カレンの手を握った。
カレンはその顔を見つめ返し、屈託のない顔で笑う。
「お元気そうね、シスター・フィア! あなたが結婚するなんて、本当に夢のようだわ! たとえ……その、お相手が誰であったとしても! あなたが選んだ人なら、きっと幸せになれると思うわ!」
「歳はいくつなの?」
ジュリアが眉をひそめて訊いた。
「え、えっと……」
フィアはあたふたした。──いくつだったっけ!?
彼は二十九になっていたんだっけ? それともまだ二十八だった?
こんな大事なことを知らなかったなんて……とフィアは恥じ入ってしまい、
「えっと……あの、わたしよりかなり上だけど、結婚できないほどじゃないわ! それに、歳なんて気にしたことないし!」
と、内心の動揺を隠しながら言った。
「かなり上……」
ジュリアは顎に手をやって、考え込んだ。
四十とか五十ではないかとか、六十まではいくまいとか、修道女たちは小声でひそひそと話し合った。
「……職業は何をしてる人?」
エミリアがカレンの肩に手を置いて、後ろから訊ねてくる。
「牛を飼ってるの。近くの村で」
フィアは、そこのところは少しばかり誇らしい気持ちで言った。剣を振り回す野蛮な仕事に比べれば、誰にでも自慢できる立派な職業だと思いながら。
しかし、そう言った瞬間、聖ドロテアの修道女たちは凍りついたように硬直してしまった。
その場の雰囲気がなぜかお通夜のようになってしまったので、フィアは怪訝な顔をした。
そのとき、フィアにとって懐かしい声が外から聞こえてきた。
「フィア!」
「……ロゼッタ!」
フィアは部屋を飛び出して外に走り出た。セラエが困ったようにため息をつく。
凍りついている修道女たちに対して、彼女は真面目な顔で訊いた。
「なんだかよく分からないけど、裏でお茶でもいかが? よかったら?」
「え、ええ……。い、いただきます……。すみません」
カレンがめまいを覚えながらも、なんとか頷いた。
──牛飼い! 国王と婚約までしていた人が、年老いた牛飼いと結婚!
「こんなことになったのは、あ、あの“おばさま”のせいでは……。ああ、やっぱり、あの日修道院を出ていくのを止めておけばよかった! あの怪しい親族の方にお知り合いでも紹介されて、あのシスター・フィアのことだから、断りきれなくなってしまったに違いないわ」
カレンは、めでたいときに涙を拭うために用意していたハンカチをふところから取り出し、泣きだした。
「どう見ても、何か思惑のありそうなご親族の方だったのに! わたしには分かっていたのに!」
「しょ、しょうがないわよ、シスター・カレン……。そんなの、あたしたちのせいじゃないってえ!」
トニアがその背に手をおいて、冷や汗を飛ばしながらカレンを慰めた。
「ちょうど、陛下との結婚話が駄目になったころでしょ? 田舎の牛飼いに心惹かれるのも当然だわ。だって安定職だもの。それにあたし、牛飼いって、シスター・フィアにわりと似合ってる人だと思う。きっと人柄も素朴なのよ」
「実際、すごく気楽そうな顔をしてたわよね。なんの悩みもなさそうな……」
ジュリアも鋭く指摘する。エミリアはそれに深々と頷いた。
「さっきのシスター・フィアを見たでしょ? もう、これ以上文句がつけられないってくらい幸せそうな顔をしていたじゃない! もしかしたら、すごく格好のいい牛飼いの人かもしれないわ」
恰好いい牛飼い? 何かちょっと想像がつかないが……。
「そ、そうね。シスター・フィアは幸せなのだから、わたしが泣くことはないのだわ。……ぐすん」
カレンは涙を拭きながら部屋を出ていく。そのあとを修道女たちが続く。
セラエは、先にお茶の準備をするためにそこをあとにしていた。
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 3 -聖アルメリアの修道女たちと、謎の招待客-

「あの男はどこなの? なんでうちに薪を割りに来ないんだって、とっちめてやる! あんなに世話してやったのに、本当に恩知らずなやつ!」
ロゼッタは男勝りに腕をまくって、息巻いていた。去年の冬のあいだ、山奥の修道院でひとりでやけくそになって薪を割り続けたため、その腕は本当にがっしりしてしまっている。
「ま、薪割りなら今度行くから!」
フィアはあわててロゼッタを押しとどめた。そして、かたわらのアデルハイドを見る。
アデルハイドはなぜか、修道服ではなく、貴婦人のようなドレスを身に着けていた。
「もしかして還俗したの? シスター・アデルハイド?」
「ううん。人に借りたの」
おっとりと首を振る。
「というかね。ここに来る途中で実家に立ち寄って、拝借したのよ。若いころに母が作ったまま、一度も着ていないのがあったものだから。だって、せっかくの結婚式なんだもの、おしゃれして出たいじゃない? うふふ」
アデルハイドはいたずらっぽく微笑んでみせる。その髪は申し分なくきれいに結い上げられており、ドレスも、品がよく上等なものだ。こういう恰好をしていると、この人ももとは良い家の生まれなのだと分かる。空腹のためにベッドの下にパンを隠すような暮らしをしているというのに、生まれ持った気品はこうしてひとつも損なわれていないのだから、ある意味では驚異的なことだった。
彼女は優しく笑ってみせた。
「それにしても、きれいに支度できたわねえ、シスター・フィア! とっても素敵じゃない。わたしも、あなたがそんなにおめかしするなら、もう少し派手なのを着てきても良かったわあ……残念」
「何いってんのよ! 馬鹿じゃないの! 修道女のくせにドレスとか!」
ロゼッタはアデルハイドの脇を肘でどついた。
「あいたっ! ……もうっ、あなたって本当に乱暴なんだから!」
アデルハイドが怒ったような顔をする。本当に痛かったらしい。脇腹をさすった。
「ゲルトルードを連れてくりゃよかったわ。引きこもりのくせに、珍しく行きたがってたのに!」
「じゃんけんで負けたのがいけないのよ」
アデルハイドはむっとふくれっつらをする。もう三十をすぎているのに、相変わらずそういう仕草は子供っぽいのだった。
フィアは目をみはった。
「どうしてじゃんけんなんてしたの? もしかして、お金がなかったの?」
「別に、そうじゃないんだけどさ……」
ロゼッタは腕組みして舌打ちした。
「シスター・ベセルが具合が悪くて、誰かが残らなきゃいけなかったのよ」
「そうなの? すごく悪いの?」
「歳だしねえ。……で、風邪をこじらせちゃって。いつものことっちゃ、いつものことなんだけどね」
「知らなかった……。お見舞いに行かないと」
フィアは顔をくもらせた。高齢でしょっちゅう風邪をひいているベセルだが、さすがに歳も歳だから、お見舞いに行かなければならないだろう。でないと、もう別れも言えないかもしれない。
「まあ、なんだかんだいって、持ち直しそうな感じはするけど。……とにかく、最初は院長が残るって言ってたのに、あの人ったら、結局『ちょっと珍しいものを見に行くのも良いかもしれないわ。“シスター・アガタの回顧録”のネタになるし』とか言いだして、ついてきたのよ!」
「院長、姿が見えないけど……どこ?」
フィアはきょろきょろとあたりをみまわした。
「それが、わたしの実家にいるのよ」
アデルハイドがため息をついた。
「ええ?」
「旅の途中で、ぎっくり腰になっちゃったの。もう全然動けなくて、無念で、滝のように涙を流して泣きながら『わたくしのかわりに、結婚式がどんなだったか、逐一報告してちょうだい! 出た料理の内容まで全部!』って言うの。特に、結婚式の料理はすごく楽しみにしてたのよね……。あわれで、見ていられなかったわ」
「院長……」
フィアも残念な思いがした。あの人にも、自分の晴れ姿を見てもらいたかったのに……。
「久しぶりに会いたかったのに、こういうときにぎっくり腰になっちゃうなんて!」
「なんだったら、結婚式のあとにうちに遊びに来たら? そうしたら院長に会えるし、ついでにシスター・ベセルのお見舞いもしたらいいじゃない。……あっ、そのときに、あなたのだんなさまを連れていらっしゃいよ! それで、ざくざく薪を割ってもらえばいいのよ。……ねっ、シスター・ロゼッタ!」
アデルハイドが、いいことを思いついたというように顔を輝かせた。
「う、うーん……。まあ、いいけど。それで。フィアがいいなら」
「あとで聞いてみる! たぶん、いいって言うと思うけど」
フィアも笑顔で答えていたが、その視界の隅に妙な人物の姿が引っ掛かってしまい、その顔が硬直した。
な──なぜ、彼がここにいるのだ!? よりによって……。
信じられないものを見てしまい、フィアは死ぬほど動揺した。
「あ……あ、ちょ、ちょ……ちょとあの……」
フィアは激しくうろたえながら、手をひらひらさせた。
ロゼッタとアデルハイドが怪訝な顔をする。
「何よ? あんた、どうしたの。顔が赤いわ」
「どうしたの? シスター・フィア? わたしには青ざめて見えるけど……」
「あの、あの、そっ、そこの建物の裏に、お茶の席が用意してあるから! そっ、そこで……」
フィアは唾を飲み込み、必死で言った。
そのとき、ちょうどスティーナが近づいてきた。彼女は手を振ってきた。
「フィアさま! 着つけがまだ途中ですわ! お戻りになってください」
「スティーナさん! この二人に、お茶、お茶、お茶を出してあげて! わたし、ちょっと……!」
フィアは泡を食って叫ぶと、ドレスの裾を持ち上げ、走り出してしまった。
「ええ!? ちょっと……フィアさま!」
スティーナは唖然となった。
「……なんなの? あの子? 急に、毒きのこでも食べたみたいな顔して」
ロゼッタもぽかんとした。
「お腹でも痛くなったのでは? こういう晴れの日に、緊張しすぎてしまって」
アデルハイドも怪訝そうに少し首を傾げて、その後ろ姿を見送る。
ロゼッタも「そうかもね……あの子の場合」と同意するしかなかった。


「──なんでここにいるの!?」
フィアは“彼”を村の建物のかげにつれていき、叫んだ。
「知らねえよ!」
彼はムッとしたように言いかえした。日かげで、腰に片手を当てて。
そこに佩いているのは近衛騎士の長剣だ。その服装も、近衛騎士団の正装である。いつもより立派に見えるのは、その服装のせいかもしれない。
でも、顔は変わっていない。
前より少しだけ男らしくなったように見えるけれど、それくらいだ。彼は彼だ。──ルーデックだった。
「あ、あなたに招待状出してない……わ……。出そうかとは思ったけど」
「俺だってもらってねえよ、そんなもん! ──いらねえし!」
ルーデックは苦々しげに言い捨てた。
「じゃあ、なんでいるの!?」
「だから、知らねえっつってるだろ!」
彼は怒鳴った。フィアはびくりとした。
「おまえはあの夜からいっぺんも帰ってこねえし、もうここには戻ってこねえだろと思って、家も引き払ったよ! あほみてえだろ、俺が一人で住んでたってよ!」
彼は、フィアが怖じ気づいているのを見て、その刺々しい口調を少し改めた。
「で……その、お、王都に戻ったんだよ! 他に仕事もねえし。続けるしかねえだろ、この仕事を!」
「こ、近衛騎士なのね」
フィアは頷いた。それは、見れば分かる。
「辞めなくて、よかった。あなたには……その、似合ってると思うから……」
「うるさい、おまえに言われたくねえ!」
ルーデックはまた刺々しい口調になった。
「ご、ごめんなさい……怒ってるの?」
「怒るわけねえだろ。俺は試合に負けたんだ。あれでキッパリ区切りはつけたつもりだったんだ! おまえが戻ってくるなんて思ってなかった。忘れるつもりだったよ、おまえのことは! なのに、なんでこんなところに自分がいるのか、さっぱりわからねえ! だから怒ってんだよ!」
ルーデックはどすの利いた声で怒鳴った。
フィアと会わないあいだに、彼は二十になっていた。
王都の近衛騎士団に戻り、毎日まじめに訓練を積んでいた。おかげで、この数か月で剣はだいぶ上達したのだ。若い騎士たちとも、喧嘩ばかりしていてもしょうがないからと、気が進まないのを押して話をし、知り合いになり、最近では一緒に酒場に行けるくらいになっていた。
目指す“出世”にむけて、何もかも順調だったのだ。──ここに来るまでは!
「……よっ、シスター・フィア!」
建物のかげからひょいと顔を出した人がいた。ベリスだった。
「ベリスさん!」
「結婚おめでとう! いやあ……やっとそうする気になってくれて、良かった良かった!」
彼は屈託なく笑っている。
フィアは、「でも、あの人、もうすぐ国王をやめちゃう気でいるみたいですけど」とは言えなかった。ぎこちなく笑う。
「あ、ありがとう……ございます」
「顔がこわばってるね。だめじゃないか、せっかくかわいく支度できてるのに」
ベリスはそう言ったあとで、後ろからルーデックの頭をゴチンと殴った。
「痛ッて!」
「こいつが悪いな! どう考えても!」
「なんすか! なんで俺が……」
「まあ、許してやってよ。こいつも、何も知らずにここに来ちまったんだ」
「何も知らずに?」
フィアは怪訝な顔で、ルーデックとベリスの顔を交互に見た。
ベリスはルーデックの肩をべしべしと叩き、深く頷いてみせる。
「ここの教会がさ、あんまり大人数入れないってんで、近衛騎士団の中で“公平に”くじ引きをやったわけさ。そうしたら、まあ……俺は実は、抽選じゃなくて、ヒゲ団長のお供で選ばれてたんだけど、こいつは見事にそのくじの当たりを引いちまってさ。“選ばれし十人”ってわけ」
「くじ……」
フィアは、あんなにたくさんの騎士がいるのに、どうしてよりによってこの人が当たりくじを引いてしまうのだろうと思い、なんともいえない気持ちでルーデックの顔を見た。彼は彼で、「なんだ、その同情するような顔!」と不愉快そうに言った。
「公費で田舎に旅行に行ける権利が当たったって聞いて、喜んで来たらこのざまだよ。あの人の結婚式だなんてふざけた話聞いてたら、死んでも来なかったのによ!」
ルーデックは苦虫をかみつぶすような顔で言った。それから、花嫁姿のフィアを見てなぜか顔を赤くし、ぶるぶると震える指で指差し、「だから言ったんだ、『知らねえ』って。俺は来たくて来たんじゃねえよ! 勘違いすん……」と言いかけたが、
「こいつ、べろべろに酔うときみの話ばっかりでさ」
ベリスがにやにやしながら言う。
「ちょっ……」
ルーデックが、何を言い出すのかという顔で目を剥いた。
その横で、ベリスが相変わらずの軽い口調で続ける。
「『なんで好きになったのか分からないけど、気がついたら好きだった』とか……なんでも、王都からどっかの村まで一緒に行ったんだってな? それだけで惚れられるなんて、きみもほんとに罪作りだな! シスター・フィア!」
「ンなこと言ってませんって! 作り話しないでくださいよ!」
ルーデックは真っ赤な顔で怒鳴った。
「照れちゃって。ほんとは見たかったんだろ? 前に好きだった子の花嫁衣裳!」
ベリスがニヤニヤしながら冷やかした。ルーデックはその胸倉をつかみあげた。
「見たいわけねえし! ちょっと来てくださいよ! ……あっ、このあいだの飲み代払ったのは俺ですよ! あれ返してくださいよ、今すぐ!! 二倍にして返せ!」
「ちぇっ……そんなこといったって、今日はご祝儀しか持ってきてないのに……あっ、ちょっとごめん、またあとでな!」
ベリスが渋い顔で懐をさぐりながらその場から離れていった。
ルーデックはちらりとフィアを振り向いたあと、「言ってねえからな! おまえのことなんか!」ともう一度怒鳴って、くるりと踵を返して去っていった。
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 4 -フィアの誓い-

再び、スティーナたちのところへ戻った。
女性たちは、着付けをしていた家の裏で、すでに賑やかしくお茶会をやっていた。
春の光が降り注ぐ。新しく芽吹いた緑の絨毯のうえにはテーブルが三つ四つ並んでいる。そのうえに、村の女たちが焼いた菓子が置かれていた。お茶会をしているのは客人たちだけではない。村の女たちも、あちらこちらに輪を作って楽しげに話している。もうすぐ結婚式が始まるから、ここへ集まってきたのだ。
他の家からも、結婚式の料理の調理の煙が上がりだしている。村びとたちがそれぞれ作った得意料理を持ち寄り、外で立食することになっているのだ。肉入りのパイを焼くにおいが香ばしい。
その中を、フィアは裾を持ち上げて急いで走っていった。
慣れない髪型のせいか頭も少し重く感じる。それに、髪飾りに挿した花もぽろぽろと二つほど落ちてしまった。でも、他にもたくさんあるから大丈夫ではある。スティーナは髪に花を挿すのが好きすぎるのだ。
「あっ、フィアさま、早くこちらへ! じきに始まるのに、まだお支度が整っていませんわ!」
フィアが白いドレスの裾をひきずりながら戻ってきたのを見て、スティーナが駆け寄ってきた。
そして彼女は、ドレスの裾を見て目を剥いた。
「つっ、土がついてますわ、フィアさま! 土があああっ!」
「あ、ごめんなさい……。少し引きずってしまったみたい」
フィアは、後ろを振り返りながら謝った。たしかに裾が汚れて見える。
「花嫁衣裳は! 穢れないのが何よりなのですよ! 穢れないのが! それなのに……まったく、あなたという方は、こういうところに本当に疎くていらっしゃるのね、フィアさま!」
「うん? でも、そんなに汚れてないけど? ほら、こうすれば隠れるし!」
裾をひるがえしてみせたフィアに、スティーナはがっかりしたような顔をした。
「そういう問題ではありません! ……うう、今から他のに着替える時間も……どうしましょ」
「大丈夫よ。あなたっていちいち大げさなのよ、スティーナ! こんなの、全然たいしたことないわよ」
菓子を指のあいだにつまんだまま横に来たセラエが、そこにかがみこみ、何も持っていないほうの手でぱたぱたと裾をはたいた。そうすると、土の汚れは目立たなくなった。
「ほら、大丈夫。見えない見えない」
「まあ、たしかに……目立たなくはなりましたけど。でも、こういうのは気持ちの問題で……」
「それに、食事は外でするんでしょ? だったら、どうせこうなるわよ。ねえフィア?」
「なると思う。それに、たぶん何かこぼしてしまうと思うし」
「フィアさま……」
「き、気をつけるけど!」
「お願いします……。これは本当に……あの、言いたくありませんけど、高価なドレスなんです……」
「わ、分かったわ、スティーナさん。汚さないように気をつけるから」
そんなことを言っているうちに、教会の司祭がやって来た。年老いた、穏やかな顔の老人だ。
「そろそろ始めるから、みな、教会に集まりなさい! 今、鐘を鳴らさせるところだからね!」
司祭が大きな声で言った。
「は、はい! 今いきます!」
フィアの答える声と、教会の鐘が鳴り響くのとは、ほとんど同時だった。
朝早くから準備に明け暮れていた村の女たちも、前日からこの村に入っていた客人たちも、今しがた到着したばかりの修道女たちも、皆がその鐘の音に耳をすませた。
空に高く鳴り響く鐘の音。
白いドレスの裾を上げて、汚さないようにと歩き出したフィアのまわりを、修道女たちと、村の女たちが取り巻いて歩いていく。
「裾を踏んで転ばないようになさいよ、シスター・フィア!」
エミリアが片手を口に当てて大声で言う。
ロゼッタが急ぎ足て近くに来て、蒼白の顔で口を開いた。
「そうよ、フィア……あんた、ほ、本当に大丈夫? 気はしっかり持ってる!?」
「あなたこそ大丈夫? シスター・ロゼッタ……。ぶっ倒れそうな顔だけど」
心配そうに言うのはアデルハイドだ。
「大丈夫。わたし、こういうのはわりと慣れてるから」
後ろから見れば、どこの国の王女かと思うような髪型と恰好をしているフィアが、あっけらかんと言った。
「な、慣れてる? ……何回も結婚式したわけじゃないのに、何言ってんのあんた?」
ロゼッタは冷や汗をかくような顔をしている。
と、その彼女の目に、向こうで待っている男たちの姿が見えた。
どう見ても騎士らしき人々を従えて立っているのが、今日のもう一人の主役だ。
剣を持っていないだけで、その恰好だけ見れば他の騎士たちとたいして変わらないような感じの格好ではあるが、それでも何か人目を引く。
アデルハイドが「相変わらず男前ねえ」とため息をついた。
「ふん! いいのは顔だけじゃないの! あいつは薪割りもできない軟弱者で、おまけに無職よ!」
ロゼッタは妙に腹立たしそうに言った。まだ、前回のことを根に持っているのだ。
フィアは裾を持つ手を少し緊張させながら、急いでヴィクターに近づいて行った。
毎日見て、今日の朝も同じ家の中で顔を見た人ではあるが、それでも今は特別だった。
「……へ、変じゃない? この髪型?」
フィアは頬を染め、ちょっと伏し目がちにして訊ねた。
「心のなかではそう思っていても、口では『似合ってる』と言うしかないだろう。今日は」
彼は相変わらずの返事だった。そして、フィアに向かって手を差し出した。
「どっちなの? 変なの? 似合ってるの? ほんとのこと言ってよ!」
フィアは彼の手に自分の手を重ねて、赤い顔で言った。
「家に帰ってから教えてやるよ」
「今聞きたいのに!」
そう言うフィアの後ろから、ロゼッタが割り込んだ。目の前で手をつないでいる二人を苦々しげな顔で見ながら、彼女は腕組みしてヴィクターを睨みつけた。
「いい加減、まともな職についたんでしょうね?」
「ロゼッタ! この人はもう心を入れ替えて、今はちゃんと働いてるのよ!」
そんなやり取りをしている後ろで、聖ドロテアの修道女たちが、青ざめた顔でひそひそと話し合っていた。
「ねえ……。あれ、やっぱり、国王陛下に見えない?」
「見、見えない……わよ。何言ってるの、シスター・トニア……」
「うそっ? だって、そっくりじゃない? あの後ろ姿! あの髪の色に、身長!」
「背格好が似てるだけよ! そんなわけないじゃない……ね、ねえ? シスター・ジュリア?」
「わたし、目が悪いから……。よく見えないんだけど」
「あ、そ、そう。話しかけてごめんなさい」
「存在そのものを否定するような言い方、やめてくれる。シスター・エミリア」
「ほらっ、今、横顔見た!? 絶対そうよ! 田舎の牛飼いがあんなに恰好いいわけない!」
「ばかね! 国王陛下がこんなところにいたらおかしいじゃないの! 絶対に違うわよ!」
「でも、噂があったじゃない。それに、聖ドロテアに来たって! やっぱりシスター・フィアと……」
「あ、ああ、あれよ……ほら! 国王陛下にふられたあと、同じような顔の人を見つけて、好きになっちゃったのよ! そういうことってあるじゃない? ねえ、シスター・カレン?」
「え、ええ……。そうね……。あるかもねえ……」
カレンはぽーっとして、上の空で返事をした。
こうしてみると、意外に国王とフィアは似合いのように思ったのだ。
それに、こんな意外な結婚式をするなんて、やっぱりいいところがあるではないか。彼も。
「それにしても、素敵な結婚式じゃない? あの、古くて素敵な教会に、鐘の音……。まるで神さまに祝福されてるみたいなお天気で、しかも、季節は春まっさかり。道端に咲いている花だって、本当にきれいで。ああ……何もかも、これ以上ないくらいに素晴らしいわ! 空気も最高!」
カレンは心から感激していて、他の修道女たちの話をほとんど聞いていなかった。
エミリアはうつろな顔でそれに頷いた。
「そ、そうよ。本当に陛下の結婚式なら、参列客だって何百人もいるはずだし、国中の貴族が集まるはずよ! それに第一、重いご病気っていう噂じゃないの! もう何か月もお顔を見せていらっしゃらないのに、こんなところでのんきに結婚式をしてるわけがないわ! しかも、あのシスター・フィアなんかとっ!」


──ケルツェ村の小さな教会。
昼の光が差し込むそこでは、今まさに結婚式が行われているところだ。
祭壇の前に立つ老司祭が、聖書をひらいて長々と説教の文句を言っている。普段、あまり村人が集まって説教を聞いてくれることがないので、ここぞとばかりにやっているのだ。誰でも知っている長い話の、まだ序盤のほうで、参列客たちは早くも後ろの席で居眠りをはじめている。筆頭はメルヴィンだった。
退屈しているのは、主役のふたりも同じだった。
祭壇の前に並んで立ちながら、だいぶ神妙にしていたのだが、さすがに説教に飽きてしまった。
「おまえに言わないほうがいいのかもしれないが……」
「何を?」
ひそひそと声をひそめて話す。
「どう見ても、ルーデック=エルケルに見えるやつがいた。後ろに」
「それ、あの人よ!」
「だろうな……。人違いなはずはないと思った」
「前より少し立派になったみたいに見えた。あれから半年しか経ってないのに……懐かしかった」
「なんであいつがここにいるんだ? 招待状も出してないのに」
「騎士団で、くじ引きして来たんですって。それに当たっちゃったって言ってた、ベリスさんが」
「くじ引き?」
「この教会にあんまり入れないから、十人しか来れなくて、それで」
「だからって、なんでくじ引きにする必要があるんだ……。馬鹿じゃないのか、あいつら」
「知らない。騎士団のひとに招待状は出してないもの。それは、あなたが言ってくれると思ってた」
「あまり大勢連れてくるなと言っただけだ。くじ引きしろとは言ってない」
「ルーデックは、有給で旅行ができると思ってここに来たみたい……」
「そんなわけないだろ。誰かに騙されたんだ」
「だ、騙された!?」
「──ゴホン、ゴホン!」
司祭が咳払いをした。フィアは彼のほうに寄せていた頭をもとにもどし、慌てて背筋を伸ばした。
司祭は、さすがに教会の中の人々が退屈しているのを感じたらしい。すでに舟をこいでいる者が多数だからだ。特に朝から張り切って起きていた村の老人たちは、張り切りすぎて、もうくたびれてしまっていた。
「──などと、この先は、各自で聖書を読んでもらうことといたしまして!」
と、まとめに入る。
そして司祭はヴィクターを見た。
軽く咳払いをしてから、問いかける。
「ヴィクター=ウル=ファルス=シヴェリウス、えー……あなたは、この者を妻にし、生涯変わらぬ愛を捧げると誓いますか?」
フィアは彼の顔をちらりと見上げた。
「誓います」
彼は気負うことも、躊躇することもなく、はっきりとそう答えた。
フィアはその顔を、下ろしたヴェールごしにしげしげと眺めた。
(──あれ?)
フィアは目をしばたいた。
(今まであんまり考えてなかったけど、この人って、よく見ると恰好いいのかも……)
そんなふうに思ったのは初めてだった。
毎日顔を見ているうちに、見慣れてしまったのだろうか? そんなことって……。
「では、あなたは、この者を夫とし、生涯変わらぬ愛を尽くすと誓いますか?」
「………。」
「……誓いますか?」
「………。」
「……フィア=リンネル? 誓いますか?」
司祭が怪訝そうに問いかける。
フィアが答えないことを、ちょっとばかり真面目に心配したヴィクターが、ちらりと目線をフィアのほうへやったところ、これから今まさに自分の妻となろうとしている娘が、ぽーっと、妙にほうけたような赤い顔で自分を見つめているのに出くわした。彼はぎょっとなり、思わずフィアの腕を肘で鋭くつついた。
「……おい! 目を開けたまま寝るな!」
「ね、寝てません!」
「『誓いません』?」
少し耳の遠い司祭が、ますます怪訝そうな顔をした。
「ああっ……ちが……ちっ、誓いますっ! この人を一生愛すると、神さまに誓います!!」
我に返ったフィアは、司祭に向かって急いで宣言した。ヴィクターは横で呆れた顔をした。
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 5 -酒と金貨-

その日は一日中、村はお祭り騒ぎだった。
昼食も夕食も外でふるまわれた。
村人たちは次から次に料理を運んできては、それを客人にふるまう。
夕食にはウサギに鹿、羊、ニワトリ、子ガモに牛の脚と、ありとあらゆる肉料理がテーブルに並べられた。焼き菓子も果物も食べきれないほど持ち込まれた。
村人たちは二百人近くいた。彼らは教会での式には直接参加せず、そのあいだ、外で食事や宴会の手伝いをしていた。かつて、村の名士であり、何度も村の危機を救ってくれた人の息子が十数年ぶりに戻ってきて、この村で結婚をするというのだから、これほどめでたいことはないように思われた。
飲めや歌えやの宴会のあいだに、静かに日が暮れてゆく。
夕方になれば、村の中央広場にはたき火がたかれた。
暖かい春風が吹けば、あたりには火の粉が飛んだ。
リュートやフルートを奏でる者たちが、賑やかな踊りの音楽を体を揺らして奏で続ける。村の男たちも、女も、騎士たちも修道女たちも、みな酔っぱらって歌い、踊っていた。パチンパチンと炭のはぜる音も、踊りの良い合いの手になってくれる。
フィアも“高価なドレス”を脱いで、もうすこし簡素な、けれども持っているなかでは一番良い服に着替えていた。ドレスのまま動き回れば、裾は汚れるし、お酒はこぼすし、たき火で火がつきそうだしで、日が暮れたころに着替えてしまったのだ。
夜になると、祝いの酒が一樽開けられた。村長からの祝いの品だ。
人の勧めもあって、フィアは、それをヴィクターと二人で注いで回ることになった。
しかし、村人は顔を覚えきれないほどいるし、客人も大勢いる。そのたびごとに「久しぶりにお会いして……」と長話が始まって、なかなか解放してもらえないので、かなり時間がたってもほとんど回れていないということになってしまった。
そこで、「俺はおまえの客のところに行くから、おまえは俺の客のところに行ってこい」というヴィクターの言葉に従い、フィアは彼の客を中心に酒を注ぎにいくことにした。


騎士たちは十人しか呼ばれていないはずだが、なぜか、それよりも大勢来ていた。話を聞いてみれば、どうやら“従者”のふりをして紛れ込んだ者が何人もいたという。
フィアが顔と名前を知らない騎士もたくさんいた。しかし、彼らはいちように朗らかに、「ご結婚おめでとうございます」と祝いの言葉を述べてくれた。フィアも嬉しく思いながら「ありがとうございます」と頭を下げた。
それまで歌ったり踊ったりしていた者たちも、ここへ戻って来て、杯を片手に順番を待っている。
フィアが大きな入れ物を抱えて懸命に酒を注ぐあいだに、騎士たちの話は自然、ヴィクターのことになった。
「あの人、なんかちょっと雰囲気変わったよなあ。結婚したら変わる人がいるらしいが、どうもそれだったらしい」
「“牛小屋”の連中もそんなことを言ってた」
「それもこれも、やはり、あなたの影響なのでしょうね。王妃さま」
ある騎士がそうフィアに微笑みかけたので、フィアはうろたえてしまった。
「あっ、は……はい! あの……わたしは、王妃では……ありませんけど」
「……え?」
騎士は怪訝そうな顔をした。さっそくのように褒め言葉を言い、王妃の点数を稼ぐつもりが、よくわからないことを言いかえされてしまい、困惑したのだ。
「あ、な、なんでも……ありません」
フィアはばつが悪そうにそそくさとそこを離れ、次の騎士に酒を注ぐ。
「どうぞ」
「これは、恐縮です。ありがたく……」
騎士は頭を下げた。
「まあ、“牛小屋”のやつらは……」
酒を注いでいる隣の騎士がそう話しているのを聞いて、フィアはちらりとその顔を見て、
「あなたも牛を飼っておられるんですか? あの人と一緒に?」
と訊ねた。すると、その騎士も「えっ? 牛?」と固まってしまった。
そこにベリスが横から割り込んで、「そうそう、みんな牛を飼ってるんだよ!」と言った。
「まあ、俺たちは牛じゃなくて馬を飼ってるんだけどな……。なあ諸君、そうだろう?」
「何言ってんだ、おまえ?」
「いいから、黙ってろって! 俺たちは馬の世話係、あの人は牛飼いなの!」
ベリスは怪訝そうな顔の騎士にそう耳打ちをした。騎士は顔をしかめた。
「……はあ?」
「ところで、シスター・フィア」
いい気分になっているメルヴィンが、フィアに話しかけた。
「はい?」
「こういう趣向の結婚式がいいと仰ったのは、やはり、あなたのほうなのでしょうな?」
「趣向? この村は、ヴィクターさんの生まれた村で……。結婚式のことは、村の人にお任せしてましたから、よく分からないですけど」
フィアは彼にも酒を注ぎながら言った。
「ほほう? では、陛下のお望みだったのかな? 幼少を過ごされた村で、あなたと結婚するという?」
「あの……メルヴィンさん」
フィアは神妙な顔で話しかけた。
「はい?」
「また、遊びに来てくださいね。もし、あの人があなたの……その、主君、ではなくなってしまっても」
「……んむ?」
メルヴィンは髭をさわりながら、怪訝な顔をした。
「どういう意味ですかな? それは?」
「いえ……。ただ、それを覚えておいてほしいだけなんです」
フィアは言って、別の騎士に酒を注ぎ始めた。
メルヴィンは怪訝な顔でベリスを見た。
「シスターは何を仰っておられたのだ? 今?」
「そこのお方は、陛下が牛飼いになったと思ってんですよ。国王をやめて」
「まさか、そのような馬鹿げたことを」
「本当なんですよ。で、面白いから黙って見てるんです。あなたもしばらく秘密にしといてくださいよ」
「むむ……」
「たぶん、自分が今日王妃になったことも知らないと思いますよ!」
「ふむ……。まあ、シスター・フィアなら、そういうこともあるかもしれんなあ。いやはや……」
メルヴィンは顔をしかめて、また髭を撫でた。



「あんた、傷の具合はもういいわけ?」
ロゼッタが訊ねると、ヴィクターは彼女の杯に酒を注ぎながら「おかげさまで」と言った。
「じゃ、薪割りしに来なさいよ、薪割りを! どうせ、たいした仕事もしてないんでしょ!」
「あいにく忙しい。断る」
すっぱり言われて、ロゼッタはムッと顔をしかめた。
「なんであんたって、そんなに態度がでかいわけ!?」
「あ、あのう……。騎士さま?」
アデルハイドが横から口を出した。
「わたしにもいただけるのかしら?」
「もちろん」
「きゃっ! 殿方に酒を注いでもらえるなんて、滅多にない経験じゃない? ねえ!」
アデルハイドはロゼッタに満面の笑みで話しかけたが、ロゼッタは嬉しくなさそうだ。
しょうがなく飲んでやってるのよという顔で、杯に申し訳ていどに口をつけながら、
「けっ……。こんな男の酒、まずくて飲めたもんじゃないわよ。いったいどこがよくて、フィアが結婚したのかさっぱり分かんないわ! たぶん、あの子は男運が悪いのよ! 絶対そうだわ」
と言う。
「おまえよりはいいだろ。相手が誰だろうと結婚できてるんだから」
隣のアデルハイドに酒を注ぎながら、しれっとしてヴィクターが言った。
ロゼッタはカーッとみるみる顔を赤くした。溢れる怒りのせいだ。
「俗世とは縁を切ってる修道女に向かって、あんた、何言ってんの!? 頭おかしいんじゃない!? ほんっと、あんたって変わってないわよね! 性格が悪くて、態度がでかくて、恩知らずで! 最低男だわ、最低男! 心を入れ替えて働いてると言ってたけど、まともな職についてるのかどうかだって怪しいもんよ!」
「おやめなさいよ、シスター・ロゼッタ! あちらの方が睨んでらっしゃるじゃないの」
アデルハイドがこそこそとロゼッタに耳打ちした。
「誰が睨んでるって!? そんなもん、睨みかえしてやるわ! どこよ!」
「ほら、あそこ」
「……なに、あの小娘?」
ロゼッタは目つきの悪い顔でそれを睨みつけた。
“小娘”扱いされた女は、我慢できないという足取りでずかずかと近づいてきた。
「ちょっと、あなた! なんですの、さっきから……このお方の悪口を次から次へと! 聞き苦しい!」
その女は、掴みかからんばかりの勢いでロゼッタに怒鳴った。
ロゼッタは、その女の格好をじろじろと見た。着ているものは上等で、貴族のように見える。
「誰よ、あんた? あたしはロゼッタ、文句ある?」
「わたくしはアルマと申します。エトヴィシュ公爵家の侍女をしている者ですわ! 本来なら、あなたのような下賤な方と口をきくような身分ではないのですけれど。あまりにあまりのことですから、言わせていただきます!」
女はそう名乗って、すぐ近くにいる別の客に酒を注いでいるヴィクターの横顔をびしっと指差しつつ、それまで握りしめていたらしい金貨を、反対の手の指のあいだにつまんで突き出してきた。
「そちらにおられる方は、ここに描かれている方と同じ方なのですよ! そんなことも知らないなんて、いったいどういうお育ちをされたのかしら!? 信じられませんわ!」
「なにこれ?」
ロゼッタは怪訝な顔をした。
「金貨だと思うけど。シスター・ロゼッタ」
「そんなこと、見れば分かるけど。あの男とこの金貨の関係性が全然分からない」
「うーん……」
アデルハイドは首を傾げた。「親類、とか……」
「親類? だってこういうのって、王族とか、すごい騎士とか、そういう人の顔が刻まれてるわけでしょ」
「そうねえ。国王陛下、とか……。だって、金貨ですものねえ」
アデルハイドは頷いた。ロゼッタはむっとしたように顔をしかめた。
「たまたま似てるだけじゃないの? あの男が金貨に顔を彫られたりするわけないし!」
「だって、シスター・フィアの結婚相手の方ですものねえ……。まあ、少し似てますけど」
アデルハイドはしげしげと金貨に眺めいっている。
「『少し似てます』じゃありませんわ! 同じに決まってます! なんなんですの、あなたたちは!」
アルマは癇癪を起こしてわめいた。
「あなたのような下品な客人がこんなところに招かれたのも、シスター・フィアの生まれ育ちが良くなかったからではないかと! わたくし、失礼ながら、憂慮せざるをえませんの!」
「ちょっと! フィアを馬鹿にしてるわけ!?」
「そうではありませんわ。わたくしだって、あの方を悪くいいたくなんてありません! でも、この金貨に顔を刻まれたお方と結婚したいと思っていらした方は、この国に、ほかにごまんといたのですよ! それを……それを!」
アルマはわっと泣き出した。ロゼッタは「なっ、なによ、こいつ!」と怯んでいる。
すると、後ろから違う女が駆けてきた。ドレスの裾をからげて。
「申し訳ありません。ちょっと、気が高ぶってしまっているみたいで。……さ、アルマ、クリステラさまのところへ戻りますよ! どこへ行ったのかとお探しになっておられるのだから!」
凛とした、美しい女だった。こちらも貴族のような恰好をしている。
アルマはその女の胸にわっと抱きついた。
「だって、エリージエ! あのシスター・フィアのせいで、こんな……王都の人たちが知らないようなところで結婚式が行われたのよ! わたくし、王都の民として本当に悲しいわ! クリステラさまだって、心のなかではお嘆きになっておられるに違いないのに!」
「あのかたは気にしておられないのよ。さあ、行きましょう! あなたがこんなふうに騒ぎを起こしたり、泣いたりしたら、クリステラさまの評判を貶めることになるのよ。そんなことをしてはいけないわ」
「うっ、うっ……。わ、わかったわ、エリー……。戻ります」
アルマはその女に肩を抱かれ、どこかへ歩き去ってしまった。
「なんなの、あれ?」
ロゼッタは唖然として言った。
「言いたいことだけ、捨て台詞みたいに吐いていって。あっちのほうが下品じゃないの?」
そのときアデルハイドは、アルマが手を震わせて落としていった金貨をさっと拾い上げており、それを夜空にかざしてしみじみと見つめているところだ。
「うーん……。やっぱり、金貨って素敵! ねえ、これ、わたしたちが貰ってもいいわよね?」
「い、いいんじゃないの……。落としていったんだし。……それにしても、金貨を落とすって相当おかしな人よね。成金の貴族だとしても」
「そんなこと、どうでもいいじゃないの。それより、これでふた月食べられるわ! ああ、嬉しい!」
アデルハイドはうっとりとして言った。ロゼッタはそれを見て、なんとなくため息をついてしまった。
「やっぱり、あたしたちって下品なのかも……人から見たら。貧乏ってだめよね、ホント」
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]

フィアの結婚 6 -焚き火の前で、ノイエとクリステラ-

その頃、クリステラはノイエと一緒にいた。
朝早くこの村についた彼女は、同じような時間に村に到着したノイエにでくわして、微笑んだ。
フィアが着付けをしていたようなころ、二人は昔の懐かしい話をしながら教会の聖堂に入って行った。朝一番の鐘を皮切りに、じきに始まるだろうと思っていたのだ。
しかし、式は昼近くになってからと聞かされ、しかたなくそこで時間を潰すことにした。
準備中の教会は、頻繁に人の出入りはあるものの、人の姿じたいはそれほど多くはない。
侍女たちや家人たちを互いに連れてきていたが、彼らは外で適当に飲み食いをさせておき、二人で子供のころの話をした。それは思いのほか楽しいものだった。
そして祭りは続き、空は夜に代わっていった。
たき火を囲んで歌え、踊れの人々を遠巻きに見ながら、フィアとヴィクターが注いでくれた酒の杯を片手に、ノイエとクリステラは建物の壁際に並んで立っていた。
侍女たちも、二人きりの話に遠慮して、今はこの場に姿はない。
たき火のはぜる音が遠くに聞こえる。舞い散る火花には、魅入られるけれど。
心まで躍りはしなかった。
「……国王陛下から、ずいぶん無理な提案を受けられたと思うのですが」
ノイエはついに、それを切りだした。
この村でクリステラと会った以上、言わなくてはならないことだった。気が重くても。
「無理な提案? まあ、なんでしょう。分からないわ」
クリステラはくすっと微笑んだ。
「ご存じでしょう。あなたもお人が悪い」
「わたくしが陛下に申し上げたのは、たとえばノイエ=ラディウスさまのような方であれば、急な結婚話が来たとしてもお断りはしませんけれど、ということだけです」
クリステラはいたずらっぽく言って、笑った。ノイエは面食らった。
「なぜ、そんなことを」
「わたくし、人柄の穏やかな方が好きですの。国王陛下は素敵な方だと思いますけれど、あの方は少し、わたくしには刺激が強すぎると思いましたの。お友達としておつきあいするぶんには、本当に楽しいのですけれど……」
「一緒に悪巧みをしていらしたんでしょう? 知ってますよ。口裏を合わせて、仮病を装ったりして」
「だって、仕方がありませんわ。あの方はどうしてもシスター・フィアに会いたいと思っていらしたんですから。わたくしも彼女のことは少しばかり存じ上げておりますし、かわいらしい方ですから、陛下の想いを叶えて差し上げたくて。つい、協力いたしました」
しばらく、沈黙が流れた。
燃え盛るたき火を見ながら、歌い踊る村人や騎士たちの姿を、手を組んで楽しげに踊っている男女の姿を眺めていた。
しかし、『一緒に踊りませんか』とは言えなかった。
ノイエは自分のふがいなさを思いながらも、ただ黙っていた。
クリステラも、自分からはそれを言わなかった。隣に立っている人が、自分には想いがないのを知っていた。この沈黙も、ノイエが自分との結婚を断るための機会を探しているからだと分かってもいた。
想いがあるなら、子供のころの婚約を、そのままずっと守れたはずだ。そして今ごろは、結婚していた。けれどノイエは、まるでそれを拒むかのようにラディウス公爵家を出て行き、修道院に入ってしまった。その話を聞き、父も、『この婚約は破棄する。ラディウス家のだらしない息子より、いずれもっと良い縁があろう。おまえは誰より美しいのだから』と、多感な少女だったクリステラに言いきかせたのだ。
──美しさ。外見の。
それがいったい、なんの役に立つのだろう?
今、自分はそれほど幸せではない。大丈夫だと人には笑ってみせるが、心が沈むのはおさえられないのだ。けれど、美しいと人に褒められることに、さほど慣れていなさそうなフィアは、そう言われ続けてきた自分とは反対に、あんなに幸せそうに笑っているではないか。それに、とても魅力的に見える……。
世辞ではない。彼女はとても愛らしくなった。聖ドロテアにいたときよりもずっと。
つまり、顔の造形などは二の次のものなのだ。内側から輝くものがないなら。
自分が人に求められないのは、心のなかに輝きがないからかもしれない。そう思って、できるかぎり人には優しくしてきたつもりだ。自分自身の気持ちなどおかまいなしに、誰も不愉快にしまいとか、楽しませなければいけないとか、人の悩みを聞くのは、裕福な家に生まれた自分の務めだとか、そうしたことばかりを考え続けてきた。
少し疲れた、と思う。
自分だって、誰かに甘えたい。わがままを言いたい。子供のころのように、無邪気に、何も考えずに。
でも、誰を相手にすればいいのか分からなかった。誰がこんな自分を受け止めてくれるのか……。
残されているのは、子供のころに婚約の誓いを交わした人だけ。
でも、彼の心は自分にはない。そのことは、あのときから──はっきりしていたことだったではないか。
「……どうして、修道院に行かれたのです? ノイエさま」
クリステラはぽつりと呟いた。
「……え?」
沈黙していたノイエは、虚を突かれたように返答した。
「修道院、ですか」
「ええ。あなたは、修道院にお入りになられていたでしょう」
「ああ……そうですね。あなたとの婚約も、それで破談に……」
そこまで言って、ノイエはいったん口を閉ざした。
彼はまたしばらく沈黙していた。
クリステラは近づきもせず、離れもせずに、じっとその場に立っていた。
この人が心のなかを話してくれるかどうかは分からない。たぶん、人にはあまり話さない人なのだとも思っている。それでも、それだけは、どうしても聞いておきたかった。
自分との婚約が嫌で、人生を棒に振って修道院に入ろうと思ったなら、正直にそう言ってほしい。
人の恋心が重荷になる、その気持ちはよく分かる。自分も同じ経験をした。
だから、責めるつもりなど毛頭ない。ただ心を開いて話してくれたら、それで心から納得できるのだ。
でも、この人はそれをしてくれるだろうか?
……わたしに?
「あなたに話すほどのことでもないのですが」
ノイエは苦笑した。
それから、またしばらく黙っていた。
「……ただ、よく分からなくなったんですよ」
彼はたき火を見つめながら、後ろの壁に軽くもたれて言った。
「何が、ですの?」
「貴族であるということの意味が、です」
「……貴族であることの、意味?」
クリステラは少し目をみはった。自分の思っていた答えではなかったから。
「わたしは公爵家に生まれました。……まあ、あなたも同じ境遇ですね。生まれた家は巨大な城のようで、領地は広大で、使用人は何百人もいて。生活の豊かでない領民たちは、わたしやわたしの父を見ると、まるで神に出会ったように平伏するわけです。こちらの機嫌ひとつで、自分の首が飛んでしまうのだと、そういう顔をして」
「……ええ」
クリステラは頷いた。
自分はそれほど広大な領地について知っているわけではない。王都にあるエトヴィシュ邸からほとんど出たことがなかったからだ。でも、父のオイゲーンは領地を持っているし、使用人も、たぶんそれくらいの数はいるのだろう。あちこちにいるのを合わせれば。
「相手を卑屈にさせるほどの豊かさが、わたしには解せなかったのです。母も、湯水のように金を遣う人ですが……その金は領民から集めた税です。それで、贅沢な暮らしをしているわけです。つまりわたしたち貴族を生かしているのは、領民でしょう?」
「そう……ですわね。たしかに、そうだと思いますわ」
クリステラは小さく息を呑み、頷いた。
ノイエは彼女を見て、ちょっと苦いような顔で微笑んだ。そしてまた、たき火に視線を戻した。
「しかし、そのことを母に説明するのは難しかった。母は高価な毛皮を買いあさり、宝石を買っては飽きて捨て、気に入った人間には何でも好きなものをやって手なづけ、それも飽きれば金で追い払い……。なんでも金で解決する、そういう人です」
ノイエは吐息をついた。あの母のことを話すのは、いつだって気の引けることだった。
「もしあなたが貴族でなければ、そんな暮らしは出来なかったのだと言えば、『当たり前のことを言うな』と。そして、『子供のくせに、金のことに疑問を持ってどうするのだ。おまえがひとりで黄金を集めてこられるわけでもないのに』と呆れて言われました。たしかに、そう言われればそうです。わたしには、黄金を集める力はない。でも、疑問を持つのはやめることができなかった。わたしは家を出ようと思った。この家にいるかぎり、わたしはいずれ、ゆるやかに腐っていくと感じたからです」
クリステラは黙って彼を見つめていた。
「それで修道院へ行きました。でも、そこで事実を思い知りましたよ。公爵家の息子でなければ、わたしにはなんの価値もないのだと」
ノイエは苦く笑った。
「あまりに厳しい修行に耐えかねて、ついにわたしはそこも出てしまいました。次に向かった先は戦場でした。そこで今の国王陛下に出会ったんです。あのかたはまだ『殿下』と呼ばれておられましたが」
「そうだったのですね……」
クリステラは真剣な顔で頷いた。
「身分の低い兵士とも気さくに話すし、意見が違えば本気になって喧嘩もする。泥まみれになって、殴ったり、殴られたりで。……まあ、いつもあの人は負けませんでしたが。その姿に驚きましたよ、本当に」
ノイエは呟いた。その視線の先には、村人たちと和やかに笑っているヴィクターの姿があった。
「まさか、そんな王族がいるとは思わなかった。まるで貧民街から叩き上げられてきた庶民のようでした。この人は強いな、と思って……」
「この村で……生まれ育ちになられた……」
クリステラは、まさに結婚式が行われている村を眺めて呟いた。
小さな村だ。村人みんなが顔見知りというような。──そして、暖かい村だと思った。
「王族なら、城で生まれるのが当たり前だったはずですのに……。そして、大勢にかしずかれて……」
「あの方の父君、アルベルト殿下は、王位を放棄していらっしゃいましたからね。思えば、同じ血なんですよ。驚くほどに」
「ええ……。それが血ですもの」
クリステラは小さく頷いて同意した。ヴィクターがいずれ王位を手放すことを知っているのは、この国では、エトヴィシュ公爵をのぞけば自分たちだけなのだと思いながら。
「でも、職務は果たされるおつもりだとうかがいました。在位中は、ずっと。ですから、そこはご自身の幸せを優先されたアルベルト殿下とは違うはずですわ。ヴィクター陛下は、きっと王都へ戻られます」
「そう思いますよ」
ノイエも頷いた。
ヴィクターがこのままこの村で一生を過ごすとは、さすがに思っていない。
この国のために一生をかけて働くと言ったのだ。ならば、必ず王都へ、城へ戻るだろう。
そう遠くないうちに。
「たぶん、あの方は、自身一代のうちにこの国を変えてしまうでしょう。イヴァーン国王陛下の御世のような……いや、おそらくはそれ以上の国に。それに、認めるのは癪なんですが、あの人ならそれが出来るんですよ。他の誰にも出来なくとも、あの人には出来るんです……ありとあらゆるしがらみを断ち切って、前に進むことがね」
「常識から離れたところがおありになるのは、たしかですわね。この村で結婚式をするなどと、仰って」
「ええ、まったくです。……つまり、非常識なんですよ、あの人は。まわりはいい迷惑なんです」
ノイエは深々とため息をつき、目を伏せた。
「余計な話までしてしまいました。修道院に入った理由をお話するだけのつもりが……」
「……いいえ、良かったですわ。大事なお話を打ち明けていただいて」
クリステラは真面目な顔で頷いた。それから、少し微笑んでみせた。
「でも、それなら、わたくしと結婚など考えられない理由も、よく分かりました。あなたは公爵家の一員であるご自分に、納得されてはおられない。そして、わたくしも公爵家の人間です。あなたとわたくしが一緒になるということは、ラディウス公爵家とエトヴィシュ公爵家が一緒になるということ。それでは、貴族の中の貴族、あまりにも力が大きくなりすぎてしまいますわ。ですから、このお話は無理なのだと、わたくしにもよく分かりました。ノイエさま」
これで諦めがつきましたと、クリステラは笑って言う。
けれど、その顔はどこか寂しそうに見えた。
「………」
ノイエはしばらく黙っていた。
思えば、クリステラと自分は何もかも似ていると彼は思った。
家に逆らい、修道院に駆け込み、お人よしだが反面おっとりしていて、そのくせ心の中は妙に複雑で、芯が呆れるほど頑固で、けれど人に気を遣っていつでも一歩退き、結局──本当に欲しいものを手に入れたことがない。
「こうした家に生まれてしまうと、自分が本当はどうしたかったのかに気づくことが、遅くなりますね」
ノイエはクリステラに言った。
「……ええ。そうですわ。わたくしも、泣いてでも、わがままを言ってでも、引き留めればよかったものがあったのに。そのことに気づいたのは、本当に遅くて」
彼女は泣き笑いのように笑っている。
「欲しいものなんてないから、人に……父の望みに合わせられると思っていました。……でも、無理でしたわ」
「ならば、欲しいものはあったんですよ。そうでしょう?」
「ええ、そう。ありました。今は、それがよく分かります。もうどうにもなりませんけれど」
「わたしも同じです。恋に気づいたときには、もう終わっている状態でした。失恋したんですよ、先日。相手が誰とは言いませんが」
「まあ……。ではわたくしたち、似ていますわ。そういうところ」
「似ていますね」
「でも、似ているからといって、結婚するわけではありませんわね。むしろ、人は自分と違うものに惹かれますもの。国王陛下とシスター・フィアのように」
「でも、あの二人もどこか似てますよ。無茶なことばかりするところとか」
「ええ……」
クリステラはもう何も言わなかった。
こうして話していると楽しくて、つい時間を忘れてしまうのに、やはりこの人は自分を好きにならないのだと分かってしまったから。
もっと早く気づけばよかったろうか? 本当は子供のころからずっと、この人を好いていたことを。
悲しみがこみあげてきて、うつむいた。
こんな幸せな結婚式に呼ばれて、子供のころに親しかった人とゆっくり話す時間などできなければ、この気持ちを過去のものだと忘れられたに違いないのに。運命の神はいつも自分には厳しいのだ。そう思うと、泣きたくなった。人前ではいつも穏やかに微笑んでいようと思ったのに、それすらできないなんて。
「……保留に……」
ふいに、ノイエが言った。
「……え?」
ノイエの言葉に、クリステラは目をみはった。
「例の件、保留にしておいては、いただけませんか? 令嬢」
「保留?」
彼は頷いた。
「わたしには今は、あなたを幸せにできるという自信がない。それがないのに結婚はできません。ですから、少し時間をいただきたいのです」
「時間を……」
「悩みぬいて結論を出したら、また改めて、あなたに会いに参ります。そのときまで待ってはいただけませんか。必ずお心に添えるとはかぎりませんが……真剣に考えることだけはお約束しますから」
「……は、はい」
クリステラはとっさに答え、息を呑んだ。
「待ちます……待ちますわ! もう、ずっと長く待っていたんですもの」
感情の昂ぶるままにそう言ってしまってから、慌てたように言いなおす。
「あ、あなたを待っていたとか、では……ありませんから!」
「分かっています、それは」
彼は神妙な顔で頷いた。
「せかしているのでも、ありません。ご、誤解なさらないで」
「しないようにします。思い詰めると、行き詰まりますからね。特にわたしの場合は」
「あなたがどんな結論を出されようと、わたくしは何も申しませ……あ、いえ、あなたに……その、何かを言う権利があると思っているわけでも、なくて……。ああ、もう……なんといっていいかっ……」
「……とりあえず、踊ってみますか? そこで」
言葉に詰まったクリステラに、ノイエは、楽しげに踊っている村人たちをひょいと指差した。
たき火を囲んで、彼らは肩を組み、輪になって踊っている。
屈託なく笑い、輪に加わったり離れたり、庶民らしく好きなように楽しんでいる。そして騎士たちはといえば、若い修道女たちを囲んで、何やら楽しげに酒を飲んでいた。法皇府の定めた厳しい戒律があるというのに、何やら不謹慎に口説いているような雰囲気だ。
「せっかくの祭りですし。わたしと結婚するとかしないとか、そういうことは今は忘れて、純粋にこの雰囲気を楽しみませんか? たぶん、いい憂さ晴らしになると思うんですが」
「こ、こういうところで踊ったことはないのですけれど……」
「わたしもです。でも、難しくはなさそうですよ。見るかぎり」
「……では、あの……あなたにお任せします」
クリステラはか細い声で言って、彼が差し出した手に、そっと、自分の白い手を重ねた。
2012 / 01 / 31. Posted in 騎士と乙女2 完結記念 [編集]
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